映画『グリーン・インフェルノ』は、2015年公開、イーライ・ロス監督、ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レヴィ、ダリル・サバラ、カービー・ブリス・ブラントン出演によるスプラッタ系ホラー映画。
R18+指定。
映画『グリーン・インフェルノ』あらすじ
大学生のジャスティンは、「考えるな、行動しろ」がモットーの学生クループに誘われ、その集まりに顔を出した。
その集まりでジャスティンは、ペルーの密林で乱開発が進められていて、その密林に住む少数民族ヤハ族が迫害を受けている、という話を聞く。
その学生グループは、実際にペルーに行き乱開発をやめさせるための計画を立てていた。
ジャスティンも次第に興味を持ち、ついには学生グループのメンバーと共にペルーに旅立ってしまう。
密林の奥、乱開発の現場まで行き、銃を突きつけられるなどの危険な目に遭いながらも、学生グループは乱開発をやめさせることに成功する。
帰り道。ジャスティンと学生グループメンバーたちを乗せた小型機が、密林上空でエンジントラブルを起こして墜落してしまう。
この墜落事故で機長を含む数名が死亡したが、ジャスティンはほぼ無傷だった。
まだ事故のショックが抜けないジャスティンたちの前に、全身を赤く塗った原住民ヤハ族たちが現れる。
原住民たちはジャスティンたちを襲い、自分たちの村に連行した。
異様な雰囲気に恐怖するジャスティンたちの前で、学生グループの一人ジョナが岩の上に寝かされる。
怪我をしていたジョナは、怪我の手当をしてもらえるのかと思ったが、そのまま手足を拘束され、目玉をくり抜かれ、舌を切り取られ、生きたまま解体され、ヤハ族に食われてしまう。
ジャスティンたちは檻に閉じ込められるが、なんとか逃げ出そうと画策する。
やがて、監視のスキを突いて、一人だけ檻から脱出させることに成功するのだが……。
映画『グリーン・インフェルノ』ネタバレ感想
映画『グリーン・インフェルノ』のネタバレを含みます。
活動家の裏の顔
学生グループのリーダーだったアレハンドロは、正義感の強い若者を魅了することに長けていた。
何人もの若者がアレハンドロを尊敬し、リーダーとして崇めていた。
だが実際は、表面的には正義の活動を行っているように装いながら、裏では企業から金を受け取っていた。
ジャスティンたちが命がけで行った抗議活動も仕組まれたもの。すぐに別の企業が密林の開発を始めた。
全ての活動家がジャスティンのようだとは思わない。だが、理想を語り、人々の心を掴むのが上手い人の中には、身勝手な目的のために人々を利用する人もいる。
例えば、オウム真理教の麻原彰晃などはその最たる例でだろう。
若くて純粋な人たちを中心に心を掴み、やがては彼らをテロの実行犯に仕立て上げてしまう。
麻原に心酔していた信者たちは、多少の葛藤はあったのかもしれないが、地下鉄サリン事件などの凶悪事件を起こしてしまった。
オウム真理教ほどの規模でなくても、金や結婚などが絡んだ詐欺事件には、人の心を掴むことが上手い詐欺師が絡んでいることがよくある。
言葉巧みに人を惑わし、金をむしり取り、場合によっては命まで。
詐欺師のテクニック(マインドコントロール)を学ぶことは自己防衛のために必要なのではないだろうか?
なぜ自殺したのか
映画『グリーン・インフェルノ』の中で、檻に閉じ込められた女性が肉を食べた直後に、自ら首を切って自殺するシーンがある。
なぜ彼女は自殺したのだろうか。
彼女たちが食べさせられた肉。あれは直前に逃げ出して、川辺にあった舟までたどり着いた女性の肉だった。
檻に閉じ込められていた人たちが肉を食べてしまったあと、原住民の子どもたちが何かを身体に貼り付けて遊んでいるシーンが流れた。
あの貼り付けていたものこそ、逃げ出した女性の皮だった。
入れ墨が彫られた皮が珍しくて、子どもたちが遊んでいたのだろう。
自殺してしまった女性。仲間の肉(人肉)を食べてしまったことに気付いて、耐えられなくなり自殺してしまったのだろう。
ところで、人肉というものは、豚肉のような味がするのだろうか?
ラストシーン
エンドロールが流れてすぐ、短いカットが挿入された。
衛星写真にアレハンドロらしき人物の姿が写っている、とのこと。
写真には、全身を黒く塗ったアレハンドラの姿があった。
「なぜ?」と思ったが、これは冗談のようなものだろう。
ヤハ族は、ペルー軍との戦闘で首長(全身を黒く塗っていた男)を喪ってしまった。
おそらく、ヤハ族の多くの男性が殺されたことだろう。
そこに残っていたのが、人の心を掴むことに長けたアレハンドロ。
言葉は通じなくても、ヤハ族を魅了し、まんまと首長の座についたのだろう。
アレハンドロだけは喰われてほしかったのだが、残念だ。
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