映画『遊星からの物体X 』は1982年公開のSFオカルト系ホラー作品。監督はジョン・カーペンター。出演はカート・ラッセル、ウィルフォード・ブリムリー、ドナルド・モファット、キース・デイヴィッド。
2011年に前日譚にあたる『遊星からの物体X ファーストコンタクト』が公開されいる。
映画『遊星からの物体X』あらすじ
南極大陸。冬。一機のヘリが雪原を走る犬を追っていた。
ヘリから犬に銃弾を浴びせる男。だが、犬は逃げ続ける。
犬は、アメリカの南極基地にたどり着いた。
追いついたヘリから銃を持った男が降りてくる。男は英語が話せない。基地にいたアメリカ人たちと意思疎通ができない。
言葉が通じないままに犬に向かって銃を撃ち続ける男。
その銃弾が一人のアメリカ人に当たってしまう。
それでもなお、男は犬に向けて銃を撃ち続ける。
結局、アメリカ人の一人が男を銃で撃ち殺してしまう。
その夜、保護した犬が異形の生物へとその姿を変え、人々に襲いかかる。
その生物は殺した生物の完璧な偽物を作り、偽物はまるで本物のように振る舞う。
基地の人々は、今、一緒にいる相手が本物なのか、それとも物体Xなのか、疑心暗鬼に陥っていく。
映画『遊星からの物体X』感想
映画『遊星からの物体X』のネタバレを含みます。
隣の人は本物?
映画『遊星からの物体X』では、宇宙から来た謎の生物(物体X)が犬や人々を襲った。
物体Xは殺した相手の偽物を作り、偽物は、まるで本物のように振る舞う。
人々は、一緒にいる相手が本物なのか、偽物ではないのかと、疑心暗鬼に陥ってしまう。
実際、全く見分けがつかないほど精巧に化けられたら、しかもその化けた生物が今度は自分を襲うかもしれないとなったら、激しい疑心暗鬼に囚われるのも仕方のないこと。
映画『遊星からの物体X』でも疑心暗鬼に囚われ、ついには、本物だったのに殺されてしまう人もいた。
「謎の生物が入れ替わっているなんて、映画の世界だけの話だ」なんて、言い切れるだろうか?
もしかしたら、あなたと一緒にいるその人は、昨日までの人とは別人かもしれない。
「常識ではありえない」かもしれない。だが、常識なんて今まで何度も覆されてきた。
常識が覆されたその時、あなたはすでに数秒前のあなたとは別人になっているかもしれない。
本当に解決したのか?
映画『遊星からの物体X』では、最後に二人が生き残った。
生き残った、と言っても、極寒の南極で暖を取ることもできず、あのままでは死んでしまうことだろう。
はたして、本当に死ぬのだろうか?
あの生き残った二人は、本物だったのだろうか?
生き残った二人には、どちらにも空白の時間がある。
マクレディは、「電気を消したはずの自分の部屋に電気がついている」ということが気になり、調べに行って帰ってくるまでの過程で一人になっている。
ただ、マクレディの血液検査の結果はシロ。その後も物体Xに取り込まれるようなシーンはなかった。
マクレディは最後まで本物だったのではないかと私は思う。
一方、チャイルズは、クライマックスでマクレディたちが地下を探索している間、ずっと一人だった。
チャイルズは、襲われて偽物と入れ替わっている可能性は十分にある。
あの極寒の状況では、もしも本物だったら助けが来る前に死んでしまうだろう。
では、もしも偽物だったら?
冬眠している間に助けられ、救助施設にいる人々を襲うことでだろう。
映画『遊星からの物体X』の中で、謎の生物が全人類と入れ替わるまでにかかる時間は約3年と言われていた。
人類も流石に気付いて対策を講じるだろうけれど、はたして、謎の生物を完全に消滅させることはできるだろうか?
人が多くいる街、ニューヨークや東京のような人口密集地に入り込まれたらおしまいだ。
物体Xが都市部に連れて行かれてしまう、という続編も観てみたい。
『遊星からの物体X ファーストコンタクト』
映画『遊星からの物体X』は続編が作られている。
続編と言っても、内容は『遊星からの物体X』の前日譚。
『遊星からの物体X』で最初に登場したノルウェー人。
あのノルウェー人がいた基地で何が起きたのかが描かれている。
興味のある方はぜひ。
【遊星からの物体X ファーストコンタクト】
【本作の原作小説
を含む短編集】
【本作】
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