映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』は2011年米国公開のSFオカルト系ホラー作品。監督はマティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア。出演はメアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン。
名作映画『遊星からの物体X』の前日譚。
映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』あらすじ
1982年、南極。ノルウェー基地の隊員が謎の信号を受信した。
信号の発信元を調べていくと、南極の氷の下に巨大な建造物を発見する。
その建造物の近くで、氷漬けになった謎の生物の死体が発見された。
その死体をノルウェー基地に運び込む研究者たち。
歴史的発見に湧くノルウェー基地では、夜、研究者たちと基地隊員たちとでパーティーが行われた。
そのパーティーの最中、一人の男が氷漬けになった生物の死体を見に行く。
男は、氷の表面に触れる程度で特に何もせず、ただその生物を見ていたが、突然、その氷が割れ始め、中にいた生物が飛び出してきた。
生物は基地内にいる人や犬に襲いかかる。
さらに、生物は驚くべき能力を持っていた。
襲った相手を取り込み、コピーを作り出すことができるのだ。
誰が本物で、誰がコピーされた偽物なのかわからない状況で、人々は疑心暗鬼に陥っていく。
映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』感想
映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のネタバレを含みます。
本当に大切なもの
氷漬けだった『物体X』が蘇り(冬眠から覚め)、基地隊員たちが火を放とうとした時、「待て」と言った人物がいた。
すでに隊員が一人殺され、銃も効かないあの状況で、「待て」と言ったのは間違いなく学者だろう。
歴史的発見を失いたくなかったから。理由はそんなところだろう。
学者にとって、物体Xは世紀の大発見であり、この上なく貴重なもの。失いたくない気持ちもわかる。
だが、歴史的発見も、命あってのもの。その歴史的発見を守るために多くの人が命を落とし、人類が滅亡してしまっては、何のための発見なのか。
何も学者に限らず、大事なものが失われようとしている時、『物』と『命』とを天秤にかけることはあると思う。
どちらが重いのか、どちらが大切なのか。
映画『ディープ・ブルー』でも、科学者が研究に必要な人喰鮫を逃してしまったために惨劇が起き、その後、その科学者は人喰鮫を殺すことを決意する。
パニックに陥ってしまいそうな状況で冷静な判断を下すのは困難だろう。
せめて、「本当に大切なのはなにか」は見失わないようにしたいものだ。
その後は?
物体Xとの戦いに一応勝利したケイト。
その後、どうなったのか?
前作『遊星からの物体X』でもケイトのことは全く触れられていないため、あの後ケイトがどうなったのかは不明。
極寒の南極で生き残れるとは思えない。
あのまま助けが来なかったとすると、極寒の南極で凍死した可能性が高いのではないだろうか。
そして、前作へ
『ファーストコンタクト』のラストで、生き残っていたラーシュが出てくる。
そこに現れるヘリコプターと犬。
ラーシュは確信する。あの犬は物体Xであると。
世界を救うために犬を追うラーシュ。
その結末は……。
この先は『遊星からの物体X』へと繋がっていく。
あの、何も知らないアメリカ基地隊員たちが恐怖のどん底へ落ちていく物語へ……。
【本作の続き】
【本作】
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