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【映画】君たちはどう生きるか~あらすじと感想~ジブリ宮崎駿監督から若い人たちへのメッセージ

映画『君たちはどう生きるか』あらすじと感想

映画『君たちはどう生きるか』は、2023年公開、宮崎駿監督、山時聡真主演による作品。製作はスタジオジブリ。

第96回米国アカデミー賞でアカデミー長編アニメ賞を受賞。

映画『君たちはどう生きるか』あらすじ

眞人は母親を空襲で失い、父の再婚により東京から田舎の広大な屋敷へ引っ越すことになった。

新しい母親である夏子に複雑な感情を抱え、転校先の学校でも孤立した眞人。家でも不気味なアオサギに襲われる。

ある日、眞人は屋敷の庭に古びた塔を見つける。この塔は母の大伯父によって建てられたもの。

『ある事件』をきっかけに塔に入った眞人は、人語を話すアオサギとともに異世界へと導かれる。

映画『君たちはどう生きるか』感想

映画『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。

世界はもう限界だ

物語の半ばあたりまでは『少年が、亡き母への思いに区切りをつけ、義母を受け入れる』という物語かと思っていた。閉ざした心を開く物語かと。
だが、全く異なるメッセージが私の目の前に突き付けられた気がした。

ワラワラを喰らうペリカンは、傷つきボロボロになりながらもなお大空へ飛ぼうとする。これは、希望に満ち溢れたものたちを食い物にしてでも大きな何かを成し遂げようともがくものたちを表しているように思えた。

インコは群衆。働き、食べて、寝る。飛び抜けた存在になるのではなく、その日、その時を生きるものたち。歴史に名を残すようなことはないだろう。だがとにかく、数は増えていく。

世界はもう、限界に達していた。世界にだって、容量というものがあるのだろう。世界に悪意が満ち、世界は崩壊しかけていた。

悪意はきっと誰もが持つ

『悪意』というものは、きっと誰もが持つものなのだろう。

本作の中でも、眞人の頭の傷が『悪意』の象徴のように描かれていた。

眞人が学校でけんかをした後、おそらく『大ごとにして、相手を悪者にし、自分に同情を集めるために』、自分の頭に傷をつけた。

このような『悪意』は、誰でも一つくらいは心当たりがあるのではないだろうか。

小さな悪意、大きな悪意。人々が抱く悪意が満ち溢れ、世界は崩壊しかけている。

新しい世界

大叔父が眞人に託そうとしたのは新しい世界。今ある世界を託すのではなく、悪意のない、純粋な世界を新たに作ってもらおうとした。

我々はなにも、今ある世界をそのまま引き継ぐ必要なんてない。悪意に満ちた世界など崩壊させても構わない。我々の生きる世界は我々が新たにつくっていけばいい。

我々はどう生きるか

君たちはどう生きるか。インコのように群衆の一人として生きてもいい。世界を良くしようと命を燃やしてもいい。どんな世界を築くかは、一人一人が自分で決めて生きていけばいい。

余談だが

余談だが、宮崎駿監督の描くヒロインは、少女であり、同時に母性を持っている。今回の『君たちはどう生きるか』のヒロインは、その究極形だろう。何しろ、『少女時代の母』なのだから。

【本作のアニメ絵本】

【宮崎駿監督も愛した書籍のマンガ版】

【本作】

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