
今日は『パーフェクト・ワールド』という脱獄囚と人質の少年に芽生えた絆を描いた映画のあらすじと感想を書いていくよ

少しだけコメディっぽい要素もあるんだけど、全体的に真面目な映画だったね。何であんなことになっちゃったんだろう

子は親を選べない。助ける手段はあるけれど、必ずしも助けられるとは限らないんだよね

ブッチやフィリップのように苦しんでいる人が少しでも減るといいんだけどね
映画『パーフェクト・ワールド』基本情報とあらすじ
タイトル | パーフェクト・ワールド |
ジャンル | ドラマ |
監督 | クリント・イーストウッド |
キャスト | ケビン・コスナー |
公開年 | 1993年(日本では1994年) |
備考 |
あらすじ
あるハロウィンの夜、ブッチとテリーは刑務所を脱獄した。
逃走中、ある家に押し入った二人は、その家に住んでいた少年フィリップを人質にとり、さらに逃走する。
途中、ブッチ、テリー、そしてフィリップの三人の間で揉め事があり、ブッチはフィリップを連れて二人で逃走を始める。
フィリップは、逃げようと思えば逃げられた。だが、ブッチと一緒にいることを選んだ。
ブッチも、もう人質は必要ないのだが、フィリップを連れて行くことを選んだ。
脱獄犯と人質。
逃走を続ける二人の間に、次第に絆が芽生え始める。
映画『パーフェクト・ワールド』感想

ネタバレを含みます
ブッチが怒った理由
逃走中、ブッチは何度か銃を人に向けました。
その中には、逃走するためだけに銃を向けることもありました。
その一方で、怒りで我を忘れたように激しく振る舞うこともありました。
ブッチが激しい怒りに囚われたのは、子供が酷い扱いを受けていたから。
例えば、テリーがフィリップを怖がらせ、暴力を振るった結果、ブッチはテリーを撃ち殺しました。
そして、一夜の宿を貸してくれた恩ある人に対しても、やはり、子供に暴力を振るったからブッチは銃を向けました。
ブッチの怒りの理由は、幼少期に受けた父親からの暴力でしょう。
幼い頃のブッチは、父親から暴力を受け、苦しく、恐ろしい思いをしたことでしょう。
そんな幼い頃の自分の姿を、暴力を振るわれている子どもたちに見ていたのかもしれません。
フィリップがついていった理由
フィリップには、ブッチから逃げるチャンスがありました。
二人で買い物をした時、フィリップにはいくらでも逃げるチャンスはあったのです。
でも、フィリップはブッチから逃げなかった。それどころか、自らブッチについて行きました。
フィリップは、決して家族を嫌っていたわけでは無かったようですが、他の子供達が当たり前にやっていることをやらしてもらえないことで、相当ストレスを溜め込んでいたのではないでしょうか?
子供なら、近所の友人たちと一緒にハロウィンで仮装したり、遊園地に遊びに行ったりしたいものでしょう。
でも、フィリップは、それをさせてもらえなかった。
フィリップには、ブッチは自由な世界に連れ出してくれるヒーローに見えていたのかもしれません。
遠い理想郷
アラスカを目指したブッチ。ブッチについて行ったフィリップ。
二人の旅は、夢半ばで終わりました。
FBIから派遣された男が撃った、一発の銃弾。
もう、抵抗する気すら無かったブッチは、『誤射』で、その人生の幕を下ろしました。
ブッチの人生は、何だったのでしょう。
非道い親のもとに生まれ、暴力を振るわれて育った。「親元に返すなら、罪を重くして少年院に入れた方が良い」と判断されるようなひどい環境。
犯罪者の中には、テリーのように、まるで獣のような人でなしもいることでしょう。
では、ブッチは? ブッチは生まれながらの犯罪者だったのでしょうか?
もしも、ブッチが違う親の元に生まれていたら、もっと違う人生があったかもしれません。
子は親を選べません。
ブッチやフィリップのように苦しんでいる人は、現実に世界中にいることでしょう。
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