【映画】パーフェクト・ワールド~あらすじと感想~脱獄囚と人質の少年に芽生えた絆

映画『パーフェクト・ワールド』あらすじと感想

映画『パーフェクト・ワールド』は1993年公開。監督はクリント・イーストウッド。出演はケビン・コスナー、クリント・イーストウッド。

スポンサーリンク

映画『パーフェクト・ワールド』あらすじ

あるハロウィンの夜、ブッチとテリーは刑務所を脱獄した。

逃走中、ある家に押し入った二人は、その家に住んでいた少年フィリップを人質にとり、さらに逃走する。

途中、ブッチ、テリー、そしてフィリップの三人の間で揉め事があり、ブッチはフィリップを連れて二人で逃走を始める。

フィリップは、逃げようと思えば逃げられた。だが、ブッチと一緒にいることを選んだ。

ブッチも、もう人質は必要ないのだが、フィリップを連れて行くことを選んだ。

脱獄犯と人質。

逃走を続ける二人の間に、次第に絆が芽生え始める。

映画『パーフェクト・ワールド』感想

映画『パーフェクト・ワールド』のネタバレを含みます。

ブッチが怒った理由

逃走中、ブッチは何度か銃を人に向けた。

その中には、逃走するためだけに銃を向けることもあった。

その一方で、怒りで我を忘れたように激しく振る舞うこともあった。

ブッチが激しい怒りに囚われたのは、子供が酷い扱いを受けていたから。

例えば、テリーがフィリップを怖がらせ、暴力を振るった結果、ブッチはテリーを撃ち殺した。

そして、一夜の宿を貸してくれた恩ある人に対しても、やはり、子供に暴力を振るったからブッチは銃を向けた。

ブッチの怒りの理由は、幼少期に受けた父親からの暴力。

幼い頃のブッチは、父親から暴力を受け、苦しく、恐ろしい思いをしたことだろう。

そんな幼い頃の自分の姿を、暴力を振るわれている子どもたちに見ていたのかもしれない。

フィリップがついていった理由

フィリップには、ブッチから逃げるチャンスがあった。

二人で買い物をした時、フィリップにはいくらでも逃げるチャンスはあったのだ。

だが、フィリップはブッチから逃げなかった。それどころか、自らブッチについて行った。

フィリップは、決して家族を嫌っていたわけでは無かったようだが、他の子供達が当たり前にやっていることをやらしてもらえないことで、相当ストレスを溜め込んでいたのではないだろうか?

子供なら、近所の友人たちと一緒にハロウィンで仮装したり、遊園地に遊びに行ったりしたいものだろう。

だが、フィリップは、それをさせてもらえなかった。

フィリップには、ブッチは自由な世界に連れ出してくれるヒーローに見えていたのかもしれない。

遠い理想郷

アラスカを目指したブッチ。ブッチについて行ったフィリップ。

二人の旅は、夢半ばで終わりを告げた。

FBIから派遣された男が撃った、一発の銃弾。

もう、抵抗する気すら無かったブッチは、『誤射』で、その人生の幕を下ろした。

ブッチの人生は、何だったのだろう。

ひどい親のもとに生まれ、暴力を振るわれて育った。「親元に返すなら、罪を重くして少年院に入れた方が良い」と判断されるようなひどい環境。

犯罪者の中には、テリーのように、まるで獣のような人でなしもいることだろう。

では、ブッチは? ブッチは生まれながらの犯罪者だったのだろうか?

もしも、ブッチが違う親の元に生まれていたら、もっと違う人生があったかもしれない。

子は親を選べない。

ブッチやフィリップのように苦しんでいる人は、現実に世界中にいることだろう。

error: Content is protected !!
?