PR

【小説】タイタンの妖女~あらすじと読書感想~人類の在り方について問うSF

小説『タイタンの妖女』あらすじと読書感想

小説『タイタンの妖女』は、著者 カート・ヴォネガット・ジュニアによるSF小説。

小説『タイタンの妖女』あらすじ

全米一の大富豪マラカイ・コンスタントは、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードという人物と出会う。

ラムファードは、「時間等曲率漏斗」という現象により、過去と未来を知る能力を得ていた。

コンスタントの人生は、ラムファードと出会ったその日から急展開を迎え、物語は地球・火星・水星・タイタンへと舞台を移していく。

翻弄されるコンスタントを待ち受ける運命とは?

やがて明らかになる人類の真実とは?

小説『タイタンの妖女』感想

小説『タイタンの妖女』のネタバレを含みます。

この本は何が語られているのだ?

本書を読んでいる間、私はずっと「私はいったい何を読んでいるのだろう」と思っていた。

男が破滅したと思えば、火星軍の話や、水星での生活が描かれ、神の使いのように扱われたかと思えば、タイタンへと送られる。

物語を理解しようとすればするほどよくわからなくなる。

「これはいったい、何の話なんだ?」

旅の目的、人類の真実

タイタンで、旅の目的が語られる。

サロの乗った宇宙船を直すための部品を届けること。

コンスタントたちの旅は、この目的を達成するためのものだった。

「コンスタントたちの旅」と書いたが、実際には人類そのものがトラルファマドール星人の目的を達成するために動かされていた。

トラルファマドール星人が自分たちで部品を届けるよりも早くサロのもとへ部品を届けるために。

人間は、一人一人、自らの意思を持って生きていると思っているかもしれない。

だが本当は、神であるとか、自然界の不変の法則であるとか、何らかの力によって影響を受けているのかもしれない。

私たちが「自分の意志で決め、行った」と思っていることは、実は、何かによって予め仕組まれていたのかもしれない。

私を利用してくれてありがとう

本書では、最終的に「サロのもとへ部品を届ける」という目的は達成された。

では、目的が達成された後、人類はどうなってしまうのだろうか。

人類がトラルファマドール星人の目的を達成するための道具にすぎないとすれば、その目的が達成されてしまったら、人類はどうなるのか。

本書のセリフに「私を利用してくれてありがとう」というものがある。

これはつまり、「人は誰かの役に立って初めて、意味ある存在となれる」ということではないだろうか。

人は人とのつながりの中で生きている。

トラルファマドール星人にとって人類はもう用済みかもしれない。

だが人類は確かに存在している。

人類、一人一人が意味ある存在であり続けるために、「誰かに利用してもらう」つまり「誰かの役に立つ」ことが必要なのだろう。

そうして、一人一人が誰かの役に立つ存在であり続けることで、人と人とがつながり、一人一人が幸せな人生を送れるのではないだろうか。

【本書の著者による自伝的SF小説】

【本書の著者の代表作】

【本書】

error: Content is protected !!
?