映画『エクスペンダブルズ』は2010年公開のアクション作品。監督はシルヴェスター・スタローン。出演はシルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサムなどの豪華アクション俳優たち。R15+指定。
映画『エクスペンダブルズ』あらすじ
自らを「エクスペンダブルズ(消耗品軍団)」と名乗るエリート傭兵団のもとへ、ある依頼が舞い込む。
エクスペンダブルズのリーダーであるバーニーは、依頼者のもとへ行く。
依頼の内容は、中南米にある小さな島国の独裁者を排除すること。
依頼を受けるかどうかを保留にしたバーニーは、仲間のクリスマスと共にその島国へ偵察に行く。
その島では、軍隊が一般市民を暴力で支配していた。
バーニーとクリスマスは案内人のサンドラと合流し、島内の偵察を開始する。
だが、島内を探索していうちに、敵の兵隊に取り囲まれてしまう。
その場をなんとか突破した三人。だが、敵の追手が迫り来る。
映画『エクスペンダブルズ』ネタバレ感想
映画『エクスペンダブルズ』のネタバレを含みます。
リーダーの苦悩
傭兵団エクスペンダブルズのリーダーであるバーニーは、仲間であるガンナー(裏切って敵側に情報を漏らした人)の扱いに苦慮したことだろう。
ガンナーは傍から見たら精神的におかしくなっているのは明らか。
少数精鋭のチームで、チーム内の一人だけでも戦闘中におかしな行動を取り始めたら、チーム全員の命に関わる。
チームリーダーのバーニーは、リーダーの責任として、ガンナーに休んで治療を受けることを勧めた。
だが、ガンナーは逆恨みして、敵側に付いてしまった。
バーニーの判断は正しかったと思うし、ガンナーのことを思っての判断だったのも間違いない。
そんなバーニーの思いは、残念ながらガンナーには届かなかった。
リーダーというのは、時にとても辛い立場に立たされるもの。
仲間のことを思っての判断だったのに、その仲間に逆恨みされてしまう。
ガンナーも、きっと「俺は大丈夫なのに、仲間から外された。俺はもう不要なのか?」などと考えてしまったのではないだろうか?
良いチームというものは、良いリーダーと良い部下が揃っているから成り立つもの。
一人ひとりが自分の役割を果たし、補い合い、尊重し合うこと。
言葉にすると簡単だが、これがなかなか難しい。だが、これができれば、チームは良くなっていくのではないだろうか?
断るはずだった
バーニーは当初、今回の依頼を断ろうとしていた。
あまりにも危険なため、というのがその理由。エクスペンダブルズのメンバーたちも納得していた。
それがなぜ、心変わりして引き受けることにしたのか?
きっかけは、ツール(タトゥーショップのオーナー)が語った昔話。
戦場で、自殺するとわかっていた女性を助けなかったこと。助けられる命を助けなかったこと。そのことが今でも心に残っていること。
ツールの話を聞いて、バーニーは、「もしもこのまま断ってしまったら一生後悔する」と考えたのだろう。
ある意味、「自分のために依頼を受けることにした」とも言えるだろう。
だからこそ、最初は自分一人で敵地に乗り込もうとしていた。
きっと誰にだって「これをやらなかったら、きっと一生後悔する」という選択を迫られる場面が一度くらいはあるのではないか?
やって後悔することもあるかもしれない。
やってしまったがために、もう取り返しの付かないことになってしまうかもしれない。
選択というものは非常に難しいもの。
やって後悔するのか、やらずに後悔するのか。決めるのは自分自身。
せめて、やってもやらなくても、他人には迷惑をかけたくないもの。
だが、その『迷惑』を喜んで引き受けてくれる仲間がいると、とても心強い。
傭兵団エクスペンダブルズは、そんな『迷惑』を喜んで引き受けてくれる仲間たちのようだ。
何だか羨ましくなってくる。
【本作】
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