映画『ジェーン・ドウの解剖』は2016年公開のオカルト系ホラー作品。監督はアンドレ・ウーヴレダル。出演はエミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オルウェン・ケリー。R15+指定。
映画『ジェーン・ドウの解剖』あらすじ
一家惨殺事件が発生した。
現場は被害者家族の家。
そしてその被害者は、その家に住む家族と、もう一人の謎の女性。
地下室の床の下、どうやら埋められていたらしいその謎の死体は、外傷もなく美しかった。
謎の死体は、町に住むベテラン検死官トミーの家に運ばれた。
トミーは息子オースティンと共に自宅で検死官を営んでいる。
「翌朝までに」と頼まれたトミーは、オースティンと共に謎の死体ジェーン・ドウの解剖を始める。
ジェーン・ドウに外傷はない。だが、検死を進めていくうちに、ジェーン・ドウは奇妙で、そして異常な状態にあることが明らかになっていく。
外は暴風雨。逃げ場のない状況で、トミーとオースティンは恐怖の怪現象に見舞われる。
映画『ジェーン・ドウの解剖』ネタバレ感想
映画「ジェーン・ドウの解剖」のネタバレを含みます。
ジェーン・ドウとは何者か?
最初に、ジェーン・ドウについてまとめる。
ジェーン・ドウという名前は、身元不明の人物や死体などに付けられる。女性の場合はジェーン・ドウ。男性の場合はジョン・ドウ。日本で言うところの名無しの権兵衛のことだ。
映画『ジェーン・ドウの解剖』で、一家惨殺事件の現場で見つかったジェーン・ドウ。
外傷はないのに、体の中はズタズタ。手首や足首の骨は砕け、舌は抜かれ、肺は黒焦げ。体内からチョウセンアサガオの花や謎の布切れなどが発見された。
そして、皮膚を剥がしてみると、皮膚の裏には呪文のような文字が。
さらに驚くべきことに、こんな状態でもジェーン・ドウは生きているのだ。
燃やされても火傷一つ負わない、ただ動かないだけで生きているジェーン・ドウ。
その正体は、過去に行われた魔女狩りの被害者だった。
はたして、ジェーン・ドウが生まれながらの魔女だったのか、それとも、拷問されるうちに何らかの超常現象的な力によって魔女になってしまったのかは分からない。
分かるのは、ジェーン・ドウは人間を恨んでいること。自分に関わった人間を自分と同じ目に遭わせようとしていること。そして、決して死なないこと。
どうやったらジェーン・ドウを殺すことができるのかは不明だが、どうも映画『ジェーン・ドウの解剖』で描かれていた様子からして、ミンチにされても生き返りそうだ。
人の想い
ジェーン・ドウは、今や「恨み」という想いをエネルギーに、関わった人間を死に追いやる存在になってしまった。
死をも超越し、何百年にもわたって続く恨みの念。
人の想いというのは、どれほど強いものなのだろう?
ジェーン・ドウが過去、私たちと同じように動いて生活していたとしたら、魔女狩りに遭い、拷問を受けたことは、想像を絶するほどに辛く苦しい体験だったことだろう。
そしてその拷問の果に、今の「ジェーン・ドウ」という悪魔とも言える存在が生まれてしまった。
今のジェーン・ドウを創り出したのは間違いなく人間。
魔女狩りなどという愚かな行為の結果、人間は悪魔を生み出してしまった。
ジェーン・ドウが恐ろしい存在なのはもちろんだ。
だが、本当に恐ろしいのは、ジェーン・ドウを創り出してしまった人間なのではないだろうか?
【本作】
【本作中で語られた映画】
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