映画『最強のふたり』は、2011年公開、エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ監督、フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ出演による実話をもとにしたドラマ。
映画『最強のふたり』あらすじ
黒人青年ドリスは、スラム街で育った。
貧しい生活をしていたが、定職には就いていないドリス。ある日、フィリップという富豪の家で行われた就職面接に参加する。
フィリップは事故で頚椎を損傷し、首から下が動かない。ドリスが参加した就職面接は、フィリップを住み込みで介護する人を雇うためのものだった。
だが、ドリスはそもそも雇われる気がなかった。
就職活動している、という証明が欲しかっただけ。
面接を受けたけど落とされた。それを証明する書類をもらって、失業保険を申請しようとしていたのだ。
初めから雇われる気のないドリスは、面接でも、面接官の女性を口説いたり、フィリップに馴れ馴れしく話しかけたりと、やりたい放題。
後日、ドリスが書類を受け取りにフィリップ邸を訪れたところ、意外な事実を告げられる。
ドリスは採用されてしまったのだ。
その日から、ドリスの生活は一変し、フィリップの生活も変わり始めた。
映画『最強のふたり』ネタバレ感想
映画『最強のふたり』のネタバレを含みます。
ドリスはなぜ採用された?
フィリップはなぜドリスを採用したのだろうか?
『最強のふたり』の中では正確には述べられていない。
したがって想像になるが、ドリスが他の候補者とは明らかに違ったからではないだろうか。
他の候補者たちの志望理由は、「障害者を助けたいから」「お金のため」など。
それに対してドリスは、そもそも採用される気もなかったから、面接の場でもフィリップに馴れ馴れしく話しかけ、女性を口説き始める始末。
そんなドリスを見て、「こいつを雇ったらどうなるのだろう」「こいつなら、何か変化をもたらしてくれるかもしれない」そんなことを思ったのかもしれない。
人間と人間
『最強のふたり』の最後の方で、ドリスではない別の介護人が雇われてフィリップを介護するシーンがあった。
フィリップは明らかにこの介護人を嫌がり、介護人もフィリップを嫌がっていたようだった。
この介護人とドリスの違いは何だったのだろうか。
答えは明らかで、ドリスはフィリップを人間として扱っていたから。
フィリップが障害者だからといって遠慮などせず、「これは健常者用のチョコだ」などと聞いている方がハラハラするようなジョークまで飛ばすドリス。
きっと、フィリップのこれまでの人生に、ドリスのような人はいなかったのではないだろうか。
粗野なところもあるけれど、明るく、人に愛される性格のドリス。
フィリップは、富豪であり障害者である自分を特別視することなく接してくるドリスだからこそ、心を許したのだろう。
現実の世界でも、障害者だからとか何だとか、特別視する必要なんて無いのかもしれない。
人間と人間。お互いに困っていたら支え合うのは自然なこと。そのくらいの軽い気持ちで良いのだろう。
【本作】
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