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【映画】ザ・ウォッチャーズ~あらすじと感想~森の中、何かに監視される人々。脱出しようと試みるが……

映画『ザ・ウォッチャーズ』あらすじと感想

映画『ザ・ウォッチャーズ』は、2024年公開、 イシャナ・ナイト・シャマラン監督、 ダコタ・ファニング、ジョージナ・キャンベル、オルウェン・フエレ、アリスター・ブラマー、オリバー・フィネガン出演によるホラー系ダークファンタジー作品。

映画『ザ・ウォッチャーズ』あらすじ

ミナは贈り物を届けに、車に乗って遠出する。

地図の通りに進んできたはずが、森の中に迷い込んでしまう。

故障する車。周りには人影どころか人家もない。

誰かいないか探すミナ。日が暮れはじめ、辺りが暗くなってゆく。

何かがいる。何かが。

恐怖に駆られ逃げるミナ。辿り着いた場所は、小さな小屋。

そこは、『ウォッチャーズ』たちにより監視、観察される者たちが住む小屋だった。

映画『ザ・ウォッチャーズ』ネタバレ感想

映画『ザ・ウォッチャーズ』のネタバレを含みます。

息苦しさ

人の目が気になる。ルールを守らなければならない。

なにもつい最近のことではなく、二人以上の人間が生活を共にするとなれば、相手の目は多少は気になるし、生活する上でのルールは自然と出来上がっていく。

だが過度に他人の目を気にし、ルールを厳格に守りすぎると、次第に息苦しくなってくる。

『ザ・ウォッチャーズ』でも、『他人の目』と『ルール』が重要な要素になっている。

鳥かごで生活する四人は、ウォッチャーズの目を常に気にしている。

ウォッチャーズの気に障らないように。大きな力を持つウォッチャーズとともに生きていくために。

四人は、特にマデレンは、ウォッチャーズを怒らせないよう、こちらを攻撃してこないように、ルールを守る。

だが、そのルールを厳格に守っていては、いつまでも同じ生活を続けることになる。

抑圧された下位の者たちが、それまで絶対だったルールを破り、上位の者たちに反旗を翻す。

歴史上でも何度も行われてきたことだ。

『ザ・ウォッチャーズ』でも、ルールを破り、危険な目に遭いながらも、最後は自由を手に入れた。

その人は本人だろうか?

ウォッチャーズの正体は、人間によって地下に封じられた妖精。

かつては強大な力を持っていた、人類から見たら支配者的存在。

その能力の一つが、他人に化けること。はじめはどこか不自然だが、学習を重ねるにつれて次第に精巧になっていく。

このような『化ける』存在は、世界各地に残る神話や伝承などに見られる。日本人にとって一番身近なのは『たぬき』だろうか?

例えば『遊星からの物体X』では、襲った人間に化ける生物が登場し、人々を疑心暗鬼に陥れる。

このような『化ける』存在が現実には存在しないと言い切れるだろうか?

完ぺきに化けた何者かが、あなたの身近な人に成り代わっているかもしれない。

本物かどうか確認する術など、完ぺきに化けた者に対して何もない。

『本人』は必要なのか?

『ザ・ウォッチャーズ』のラストシーン。双子の再会、それを外から見つめる赤毛の少女。

赤毛の少女はマデリンで間違いないだろう。

おそらくミナを観察している。

それとも姉ルーシーを観察していたのか?

私の見間違いかもしれないが、手に傷があったのは姉の方だったように思う。

あの傷は妹のミナが付けられたものではなかったか?

なぜその傷が姉のルーシーにあるのか?

もしかしたら、ルーシーはマデリンが見つけてきたハーフリングなのかもしれない。

真実は分からないが、一つ、思ったことがある。

目の前にいる人が本人かどうかなど、実はたいした問題ではないのではないか、ということ。

本人そっくりの見た目をしていて、言動も本人そっくりであれば、多少の違和感があっても人はその人を本人だと受け入れてしまうのではないだろうか?

今後、AIやロボットが発達していくにつれ、『本人らしい』『本人そのもの』の偽物が生まれるだろう。

そのような精巧な偽物が作られたとき、果たして『本人』はどのくらい必要とされるのだろう?

『本人でなければならない』場合など、もしかしたら、ほとんどないかもしれない。

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