映画『シャイニング』は、1980年公開、スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演によるオカルト系ホラー・サスペンス。
映画『シャイニング』あらすじ
山奥に建つオーバールック・ホテル。冬になると雪に閉ざされ閉館するこのホテルでは、冬の間、住み込みの管理人を募集していた。
その募集に応募し、採用されたのが、小説家志望の男ジャック・トランス。
ジャックは「新作を書くために集中したい」という思いからこのホテルの管理人職を希望した。
採用時、ジャックはホテルの支配人から過去に起きた凄惨な事件の話を聞く。
過去に同じようにホテルの管理人をした男が、雪に閉ざされたホテルの中、一緒に住み込んでいた家族を惨殺し、自殺したというのだ。
ジャックは意に介さず、妻ウェンディと一人息子ダニーと共にオーバールック・ホテルで住み込みの管理人職に就く。
外は深い雪に閉ざされ、家族三人だけのホテル生活、のはずだった。
ある日、ダニーが首に怪我を負ってしまう。
ダニーに話を聞くと、どうやら女性に傷つけられたらしい。
ジャックたち三人以外には誰もいないはずのホテル。
雪に閉ざされた山奥のホテルに、ジャックたちの他に誰かいるのだろうか。
やがて、ジャックもホテルの中で家族以外の人間に会うようになり、次第に狂気に蝕まれていく。
映画『シャイニング』感想
映画『シャイニング』のネタバレを含みます。
なぜ狂ってしまったのか?
映画『シャイニング』では、同じホテルの中で三人が生活を共にする。
ジャック、ウェンディ、そしてダニー。
ダニーはあらかじめ「何かがある」と知らされていたので例外かもしれないが、同じ条件にありながら狂ってしまったジャックと、狂わなかった二人との違いは何なのだろうか?
小説家を目指しながらもうまくいかない自分への苛立ち。また、映画では分かりにくいのだが、原作では確か、ジャックはアルコール依存症の過去があったと思う。
つまり、ジャックはホテルの管理人になる前から、精神的に大きなストレスを抱えていた。
そこを、ホテルに住む悪霊に付け込まれた。
ストレスを溜め、精神的に爆発しそうになった人間に、悪霊が囁きかける。
私たちが住む現実世界でも、悪霊ではなくても囁きかけてくるものがいるのではないだろうか。
誰かの何気ない一言。ネットに書かれていた言葉。テレビやラジオから流れてきた声。
ストレスが溜まっていると、冷静なら気にもとめない言葉に心を乱され、時には爆発してしまうこともあるだろう。
最近では爆発寸前の人が増えているような気がする。
ネット上では、多くの人が叩く相手を探しているように思える。
現実世界でも、凶器を持って暴れたり、配偶者(男女問わず)に暴力を振るったり。
『悪霊の囁き』に耳を貸さずにいられるように、過度なストレスにさらされるような状況からは逃げられるように。
社会全体がもっと優しさと寛容さを持って欲しい、そう願う。
シャイニングの原作版と映画版
『シャイニング』は、原作と映画とで内容が異なり、原作者であるスティーヴン・キングが映画版を批判したことでも有名だ。
私としては原作版も映画版も好きなのだが、スティーヴン・キングにしてみれば、自分の大切な作品が大きく改変されてしまったのは耐えられなかったのだろう。
さて、原作者スティーヴン・キングの思いはさておき、『シャイニング』の映画は観たけど原作は未読という方、逆に原作は読んだけど映画はまだという方、原作も映画も楽しんでみてはいかがだろうか?
特に、映画は観たけど原作は未読という方は、『シャイニング』の世界をより深く知ることができるので一読を勧める。
【『シャイニング』原作小説】
【本作】
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