映画『フラッシュダンス』は、1983年公開、エイドリアン・ライン監督、 ジェニファー・ビールス、マイケル・ヌーリー、シンシア・ローズ出演による青春ラブストーリー。
映画『フラッシュダンス』あらすじ
アレックスは、昼は溶接工、夜はバーでダンサーをしながら、プロダンサーになる夢を叶えるべく練習に励んでいた。
仲間たちもそれぞれの夢に向けて進んでゆく。
夢に、恋に、全力で向かうアレックス。輝く未来を手にすることができるのか? それとも……。
映画『フラッシュダンス』ネタバレ感想
映画『フラッシュダンス』のネタバレを含みます。
夢破れ、やり直す
バーでクックをしながらコメディアンを目指していたリッチー。
バーでもコメディアンとしてはあまりウケは良くなく、お世辞にも才能があるようには見えなかった。
だが彼は、無謀にもロサンゼルスに旅立ってしまう。恋人を捨てて。
結果、夢は叶わず出戻り、恋人も失ってしまった。
リッチーは夢を叶えることができなかった。だが、挑戦はした。きっと、何もせずに夢を諦めてしまうよりもずっと、気持ちは晴れやかだっただろう。
バーに戻ってきたリッチーがその後どうなったのかは描かれていない。もしかしたら再び挑戦し続けたのかもしれない。夢を追うことに区切りをつけて、クックとして働き続けたのかもしれない。
どのような人生を歩んだにせよ、挑戦して夢破れたのなら、何もしないよりもずっと良いだろう。自分はやれるだけのことはやったんだと、きっと胸を張って生きていける。
夢に区切りをつけられない
アレックスの先輩ダンサーであるマーゴは、元は映画館で踊り、自分は輝いていたと語っていた。
だがある日、おそらく心の中で、自分の限界を知ってしまったのだろう。新しい服を買うことをやめた。
マーゴはおそらく、自分は夢を叶えられないと悟ってしまった。でも、諦めきれずに今もバーの舞台に立ち続けている。
本人にとって何が幸せなのかは本人にしかわからない。マーゴはきっと、満足はしていないだろうが、それでも舞台で踊れていることに多少なりとも幸せを感じているのかもしれない。
夢破れ、堕ちる
ジェニーはプロのアイススケーターを目指していた。だが、競技会で転倒し、競技中に自信を喪失してしまったのだろう、立ち上がれなくなってしまった。
競技会での失敗が、ジェニーにとっては非常に大きなショックだったのだろう。
ジェニーは、恋人のリッチーがロサンゼルスに旅立った後、トップレスダンサーになってしまう。
ジェニーはもう、自暴自棄になっていたのは見ていて明らか。アレックスに無理やり連れだされなかったら、どうなっていたか。
本気で夢を追っていたからこそ、その夢が破れた時の辛さも大きい。自暴自棄になってしまうこともあるだろう。
辛いとき、苦しいとき、時には無理やりにでも前を向かせてくれる、辛い現実から引っ張り出してくれる人。ジェニーにとってアレックスは本当の意味で『友』だったのだろう。
本気で夢を追い続けたからこそ
アレックスは、プロのダンサーになるのが夢だった。昼は溶接工として働き、夜はバーでダンサーをしている。
夢を追うのは怖い。結果が出てしまうのは怖い。もしかしたら、夢は叶わないかもしれない。現実を突きつけられてしまうくらいなら、夢を追い続けている方が幸せかもしれない。
アレックスも、オーディションから逃げようとしていた。
願書を貰いに行ったとき、結局、受け取らずに帰ってきた。雰囲気に気圧されたのかもしれない。周りはダンスの英才教育を受けてきたような猛者ばかりだ。
アレックスがオーディションを受けられるのはニックのコネのおかげだと知ったときも、アレックスはオーディションから逃げようとした。
アレックスの中にはニックに対する「バカにするな」という思いがあったのかもしれない。だが、オーディションを受けない口実にしようという気持ちもあったのかもしれない。
夢破れた仲間たち、そしてハンナの死。アレックスは様々なことを乗り越え、ついにオーディションを受けた。
オーディションで審査員たちを惹きつけたのは、アレックスの気持ちそのもの。ダンスの実力はもちろんだろう。だがそれ以上に、背負っているもの、乗り越えてきたもの、追いかけてきたもの、すべてを込めたアレックスそのものに審査員たちは惹きつけられたのだろう。
辛い現実を、恐怖を乗り越え、情熱をもってステップを踏み続けた。情熱を失わずに踊り続ける限り、きっとアレックスは夢を叶え続けるのだろう。
【本作】
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