映画『哀れなるものたち』は、2023年米国公開、ヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演による作品。R18指定。
映画『哀れなるものたち』あらすじ
自ら命を絶った女性ベラは、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、大人の体に新生児の脳を持つ女性として奇跡的に蘇生する。
ベラは世界を自分の目で見たいという欲望に駆られ、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。
なにものにも縛られない彼女は時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げてゆく。
映画『哀れなるものたち』感想
映画『哀れなるものたち』のネタバレを含みます。
無知な女性の世界は知識を得ることで色づいてゆく
子供の脳と大人の身体を持つ女性が世の中を知り、そして一人の女性として独立してゆく物語。
最初は白黒だった世界は知識と経験により色づいてゆく。
無知ゆえに、そして恐らく育ての親の教えにより、ベラは体当たりで知見を得る。
女性が知識を得ることを歓迎しない男性
ベラが知識を得ることをあまり歓迎しないダンカン。
一方で、ベラに本を与え知識を与えるマーサ。
これは『女性に高い教養など不要』と考える男と、『女性も学び、独立を』と考える女との分かりやすい対比だろう。
貧しい女性を利用する女性
ベラに知識を与える女性がいる一方で、若い女性であるベラを利用する女性も現れる。
ベラや貧しい女性たちに身体を売る場所を提供し、場所代や仲介料などを取る。
男女問わず、貧しい者を利用する者はどこにでもいる。
ベラが勝ち取った未来
最終的に、ベラは未来を勝ち取る。
勝ち取れたのは、ベラが学び続け、自ら考え、挑戦し続けたからだろう。
ゴッドのもとでかごの中の鳥のままであったなら、あの結末は決して手にすることは無かっただろう。
【『哀れなるものたち』原作小説】
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