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【アニメ】Planetarian~ちいさなほしのゆめ~あらすじと感想~荒廃した世界で男の人生を変えた奇跡

アニメ『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』あらすじと感想

アニメ『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』は、2016年公開、Key原作、津田尚克監督、すずきけいこ、小野大輔出演によるSFファンタジーアニメーション作品。

『Planetarian~星の人~』は『Planetarian』アニメーションシリーズの第1作目。
>>第2作目『Planetarian~星の人~』についてはこちらの記事をどうぞ

アニメ『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』あらすじ

どこかの愚かな国が突然起こした世界戦争。

戦争は終結したが、世界は荒廃していた。

止まない雨、ボロボロの都市、そして今なお稼働し続ける無人殺戮兵器。

男は絶望的な世界で屑屋を生業としていた。

屑屋。荒廃した都市からまだ使えそうなものを探す、本人曰く、廃品回収業のようなもの。

屑屋の男は、ある封印都市に足を踏み入れる。

封印都市とは、過去に生物兵器が使われて封印された都市のこと。その性質から、封印都市には屑屋にとってお宝ともいうべき未使用・未開封の物品が残されている可能性が高い。

ただし、封印都市には侵入者を排除するための無人兵器が今なお稼働し続けている。

屑屋の男は、一人、封印都市に潜入し、無人兵器から逃れる過程で、あるプラネタリウムに迷い込む。

そのプラネタリウムで、屑屋の男は、案内係の少女型ロボット『ほしのゆめみ』と出会った。

この出会いが男の人生を一変させることを、この時はまだ、男は知らなかった。

アニメ『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』感想

アニメ『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』のネタバレを含みます。

最も厄介な存在

「封印都市で最も厄介な存在」と言われるロボット。

荒廃し、未来のない世界で生きてきた人間にとって、ほしのゆめみの純粋さは「厄介」なものなのだろう。

空は真っ暗。常に雨が降り注ぎ、もはや希望なんて見出だせない世界。

そんな灰色の世界で、ほしのゆめみの純粋さはあまりにも眩しい。

屑屋の男も、最初は邪険にしていたけれど、次第に心を掴まれてしまう。

屑屋の男がどんな人生を歩んできたのか、詳しいことは分からない。

ただ、産まれてから今まで、常に失意と絶望を感じながら生きてきたのではないかと思われる。

きっと、荒廃した世界と同じように、男の心も荒廃していたことだろう。

そこに、ほしのゆめみという純粋さの塊のような存在が現れた。

「厄介な存在だ」と忠告されていたけれど、屑屋の男はほしのゆめみと交流してしまう。

物としてではなく、まるで人間に対するように、ロボットのほしのゆめみに感情移入してしまう。

その結果、屑屋の男の人生は変わった。

それまで、荒廃した都市を漁って生きてきた男は、人々に星を見せる『星屋』になった。

圧倒的な純粋さは、他人の人生を変えるほどの強い力を持つ。

だが、純粋さ故に、危険でもある。

純粋であったが故に

ほしのゆめみは純粋すぎた。そして、現状を知らなすぎた。

屑屋の男を守るために、大型自動殺戮兵器シオマネキの前に無防備で立ちはだかった。

傍から見たら、完全に自殺行為だ。

だが、その自殺行為を迷いなく行ってしまうのも、純粋さ、そして無知さ故だったのだろう。

自らが半壊させられた後、ほしのゆめみは言った。

「彼に代わってお詫び申し上げます。きっと彼も壊れていたのだと思います」

自らを半壊させた相手に対して、恨み言など言わず、それどころか、代わってお詫び申し上げる。

とても人間には出来ないことだろう。ロボットだからこそ。人間を楽しませ、幸せにするために産まれてきたロボットだからこそ。

あまりにも純粋すぎた。無知すぎた。

もう少し、疑うことを知り、現状を知っていれば、違う未来があったかもしれない。

人間とロボット

憎しみ合い、殺し合い、その果に世界を破壊した人間。

荒廃した世界でもなお、純粋さを失わないロボットのほしのゆめみ。

地球そのものにとって、どちらが理想的な存在なのだろう。

そんなことは考えるまでもなく、ほしのゆめみのようなロボットたちだ。

もしも人間が皆、一人残らず、ほしのゆめみのように純粋な存在であったのなら、戦争なんて起きなかっただろう。

今の、この現実の世界を見ていると、この『Planetarian~ちいさなほしのゆめ~』の荒廃した世界がいつか現実のものになるのではないかと思えてくる。

純粋な存在なんて、シオマネキのような存在にボロボロにされるだけだろう。

知恵を手に入れた人間は、最初から滅びに向かって歩いているのかもしれない。

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