映画『ゾンビ・ガール』は、2015年公開、ジョー・ダンテ監督、アントン・イェルチン、アシュリー・グリーン、アレクサンドラ・ダダリオ、オリヴァー・クーパー出演によるオカルト系ホラーコメディ作品。
R15+指定。
映画『ゾンビ・ガール』あらすじ
ホラーグッズショップで働くマックスは、いつか自分の店を持ちたいと夢見るホラーマニア。
そんなマックスの彼女は、美人で頭もよく、完全菜食主義者で環境保護論者のイヴリン。
マックスとイヴリンは、マックスの部屋で同棲を始めることに。
同棲を始めてすぐ、マックスはイヴリンとの生活を苦しく感じ始める。
イヴリンは、マックスに尽くす半面、異常なまでに嫉妬深く、その上、マックスの生活を自分色に勝手に染め上げようとしてきたのだ。
食生活も、部屋の内装も、イヴリンは自分の趣味をマックスに押し付け、それが正しいことだと疑いもしない。
イヴリンとの生活に疲れたマックスは、ついにイヴリンと別れることを決意する。
電話でイヴリンを公園に呼び出したマックス。
イヴリンが公園の前の道に車を止め、車道を横切ってマックスのもとに駆け寄ろうとしたその時、走ってきたトラックにイヴリンは跳ね飛ばされてしまう。
マックスの腕の中で息絶えるイヴリン。
その日から、マックスはショックで抜け殻のような生活を送っていた。
ある日、マックスは弟に勧められて、名作ホラー映画の鑑賞会に出かける。
そこで、以前に一度会ったことのあるオリヴィアという女性と再会する。
オリヴィアも、マックスに負けず劣らずのホラー好き。
意気投合し、惹かれ合う二人だったが、信じられないことが起きてしまう。
死んだはずのイヴリンが、ゾンビとなってマックスのもとに帰ってきたのだ。
映画『ゾンビ・ガール』ネタバレ感想
映画『ゾンビ・ガール』のネタバレを含みます。
重い女、イヴリン
全ては愛するがゆえ。
他人よりちょっと嫉妬深くて独占欲が強くて、愛する人にも自分が好きなものを好きになってもらいたいだけ。
イヴリンは、典型的な『重い女』。かなり誇張されていたが、現実にもイヴリンのような女性、いるのではないだろうか?
イヴリンのような女性を「可愛い」と思う男性もいるだろう。
「もっと束縛して欲しい」というタイプの男性。
だが大多数の男性は、「勘弁してくれ」と思うのではないだろうか。
『ゾンビ・ガール』では、『重い女』の愛があまりにも重すぎて、墓から蘇ってきてしまうというコメディ。
悪魔の人形の力を借りたが、もしかしたら、悪魔の人形が無くても何らかの形でマックスのもとに戻ってきたのではないだろうか。
イヴリンはどうすればよかったのか
死んでしまった後ではもうどうしようもないのだが、生前、マックスとうまくやっていくためにはイヴリンはどうすれば良かったのだろうか?
答えは簡単で、マックスの価値観も尊重して、話し合って妥協点を見つけていけば良かったのだ。これができないなら、価値観が違いすぎるし、そもそも共同生活なんて不可能。
自分の価値観や意見を押し付けて、勝手に相手のものを捨てたり片付けたりして、相手の価値観は尊重しないだなんて、誰がそんな人と一緒に生活したいと思うのか?
悪魔、イヴリン
ゾンビとなったイヴリンは、マックスの弟トラヴィスを生きたまま食べたり、オリヴィアを襲撃したり。
時間が経つにつれて、次第に凶暴化していった。
これが『悪魔の人形』のせいなのか、それともイヴリンが元々持ち合わせていた凶暴性なのかは分からない。
ただ、もしかしたら、イヴリンはゾンビにならなくても、激しい凶暴性を発揮して、オリヴィアを襲撃することくらいはやったかもしれない。
マックスとイヴリン、そしてオリヴィアの三人が初めて出会った時。イヴリンは嫉妬のあまり凶暴性を顕にした。
あの場面を見る限り、イヴリンはたとえ生きていても、いつの日かマックスと親しげに話しているだけの女性を殺害していたかもしれないと思えてくる。
嫉妬してしまうのは相手のことを愛しているからゆえ。
だが、イヴリンのように嫉妬深くて束縛が強い人は、きっと幸せにはなれないのではないだろうか?
それこそ、ガチガチに束縛して欲しいという相手と恋に堕ちない限り。
【本作】
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