映画『ラ・ラ・ランド』は、2016年公開、デミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン出演によるミュージカル・ラブストーリー作品。
映画『ラ・ラ・ランド』あらすじ
ミアは、女優を夢見てオーディションを受ける日々を送っていた。
同じ頃、ジャズピアニストのセブは、自分の店を持つという夢を持っていたが、そううまくはいかない日々を送っていた。
ミアは、セレブたちが集まるパーティーに出席するも、帰ろうとしたら自分の車がレッカー移動させられていて、歩いて変える羽目になる。
その帰り道、ふと立ち寄ったバーで、ミアはピアニストとしてまさに解雇された直後のセブと出会う。
ミアを邪険に扱うセブ。二人はろくに言葉をかわすことなく別れてしまう。
それからしばらくして、相変わらずオーディションを受けては落ち続けているミラは、パーティー会場でバンドのキーボード担当として演奏しているセブと再会する。
互いの夢を語り合い、出会いを繰り返す二人。
いつしか二人は恋人同士となり、互いの夢に向けて励まし合いながら、気持ちを深めていく。
夢と現実の間で揺れる心。夢と恋の間で揺れる気持ち。
夢を捨てきれずに追い続ける二人のラブストーリー。
映画『ラ・ラ・ランド』感想
映画『ラ・ラ・ランド』のネタバレを含みます。
夢を追う日々
女優を目指してオーディションを受け続けるミア。
自分の店を持とうと奮闘するセブ。
「夢は負っているときが一番楽しい」などと言われる。実際、ミアもセブも、叶わないかもしれない夢を追って互いに励まし合っているときが一番幸せだったのかもしれない。
夢を追って熱くなっているとき、いつもそばで応援してくれる人、アイディアをくれる人。
時には意見が合わなくて衝突してしてしまうことがあっても、同じように夢を追っている二人にはどこか通じるものがあるのだろう。
夢と現実
夢を追うだけでは生きてはいけない。
どこかで妥協しなければいけない。
セブはバンドのキーボード担当としてツアーに参加する。
バンドの音楽はセブが本当にやりたかったものではないと指摘するミア。
だが、セブは開店資金のため、バンドに参加し続ける。
『ラ・ラ・ランド』を観ている方たちも、何か思い当たることがあるのではないだろうか?
かつて追いかけていたけれど、生活のために諦めた夢。
夢を叶えられる人なんてほんの一握り。
ほとんどの人はセブのように、何か大きな妥協をして、夢に折り合いをつけて生きているのではないだろうか。
「あのバンドの音楽は、セブが本当にやりたいものなのか」そんなことはミアに言われなくてもセブが一番良く分かっていたはず。
だからこそ、ミアが一人芝居で悔しい思いをして夢を諦めかけたとき、オーディションの誘いを受けたとき、セブは、ミアには妥協したり諦めたりして欲しくなくて、場所をよく知らないミアの実家まで押しかけたのだろう。
夢が現実になって
かくして世界的な女優となったミラ。
一方、念願だった自分の店を持ったセブ。
夢を叶えた二人はすでに別々の道を歩んでいた。
世界中で撮影をしているであろうミラ。
自分の店を経営しなければならないセブ。
夢は叶えたけれど、共に生きることは叶わなかった。
寂しいラストだが、これも『ラ・ラ・ランド』の評価を上げた要因だと思う。
何もかもがうまくいった、そんなラストはあまりにも非現実的。
映画の終盤で流れた回想は、もしかしたらあり得たかもしれない現実。
だが、実際には、そうはならなかった。
この先、ミラとセブの人生はもう交わらないかもしれない。
夢を追い、共に励ましあった日々を描いた『ラ・ラ・ランド』。
見終わって、何だか夢を追うキラキラした気持ちが蘇って来るような、そんな気がした。
【『ラ・ラ・ランド』オリジナル・サウンドトラック】
【本作】
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