映画『フィフス・エレメント』は、1997年公開。監督はリュック・ベッソン。主演はブルース・ウィリス、ミラ・ジョヴォヴィッチ。
映画『フィフス・エレメント』あらすじ
2214年。邪悪な宇宙生命体により、人類に滅亡の危機が迫っていた。
この危機を回避するには、4つの要素をつかさどる石と、その4つの要素の頂点に立つ第5の要素『フィフス・エレメント』の力が必要だった。
地球人類を救うため、4つの要素とフィフス・エレメントを持つモンドシャワン人を呼び寄せるが、地球を目前にして、モンドシャワンたちを乗せた宇宙船が襲撃されてしまう。
襲撃を受けた宇宙船は墜落。乗組員は全員死亡。だが、回収された腕の細胞から科学者たちが一人の女性を創り出した。彼女は「リールー」と名乗った。
地球人の言葉が通じないリールーは、研究施設から逃亡してしまう。ビルの高層階に追い詰められたリールーは身体一つで飛び降りてしまうのだが、運良く通りかかったタクシーに着地する。
リールー。そして、タクシー運転手のコーベン。偶然出会った二人が地球人類を救うための鍵となる。
映画『フィフス・エレメント』ネタバレ感想
映画『フィフス・エレメント』のネタバレを含みます。
空から美女が降ってきた
『空から美女が降ってくる』という定番の出会いを果たしたコーベンとリールー。『天空の城ラピュタ』では少年は少女を受け止めて迷うことなく助けましたが、『フィフス・エレメント』では迷うシーンがあった。
いくら美女が降ってきたからといって、その美女が警察に追われていて、警察から「渡せ」と言われたら、ほとんどの人は渡してしまうのではないだろうか? 相手が警察である以上、この美女が何らかの犯罪者である可能性が高いのだから。
だが、男というのは、美女から「助けて」と懇願されると迷ってしまうもの。『フィフス・エレメント』で後先考えずに警察とカーチェイスしたコーベンの気持ちもわかる人が多いのでは?
結果的にはコーベンが警察から逃げ切ったことで地球人類は救われたのだが、もしも警察に捕まっていても、コーベンは後悔しなかったのではないだろうか?
覚悟
4つの石を持っていたオペラ歌手。石を隠していたのは、荷物の中などではなく、体の中。
よほどの覚悟がなければ体の中に隠すなんてできないだろう。
あのオペラ歌手は宇宙人なので、もしかしたら容易に身体の中に物を隠すことが出来るのかもしれない。だが、4つの石を身体の中に隠し持つということは、自分自身が敵の標的になるかもしれないということ。
やはり相当な覚悟があったのだろう。
もしも自分があのオペラ歌手の立場だったら?
世界を救うためと言えど、自分が標的になる危険性を知り、自分の命を危険にさらすことができるだろうか?
映画『フィフス・エレメント』でオペラ歌手は亡くなってしまったが、あのオペラ歌手こそ世界を救った勇者と讃えられるべき人ではないだろうか?
人類は救う価値があるのか?
4つの石を手に入れ地球に戻る途中、リールーは戦争について学んだ。その結果、リールーの中に迷いが生じた。
「命を粗末にする人間を助けるの?」
人類は過去に幾度となく戦争を繰り返してきた。現在も、人間同士が殺し合っている。
互いに憎み合い、殺し合う人間なんて、救う価値があるのか?
リールーが迷ったのも当然。
人間同士が殺し合っているのに、その人間を救う必要なんてあるのだろうか?
人間は人間を滅ぼそうとしてきた。人間こそ、人間を滅ぼそうとしている『邪悪な生命体』なのではないのか?
映画『フィフス・エレメント』では、『愛』が地球を救った。コーベンがリールーを愛する心がリールーの迷いを断ち切ったといったところだろうか?
愛の力が邪悪な生命体を打ち倒す。古典的で使い古された展開ではあるが、それでも人の心に響くのは、人が『愛』を信じたいからではないだろうか?
国を超え、人種を超え、人々が互いを思いやれるようになれば、戦争なんてものはなくなるのではないだろうか?
【本作】
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