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【映画】Pearl パール~あらすじと感想~夢見る少女が取った行動、そして本当に欲しかったものとは?

映画『パール Pearl』あらすじと感想

映画『Pearl パール』は、2022年公開、 タイ・ウェスト監督、 ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット出演によるスプラッタ系ホラー作品。

映画『X エックス』から連なる3部作の2部作目。

映画『Pearl パール』あらすじ

1918年、少女パールは実家の貧しい農場を手伝いながら、映画スターになる夢を抱いていた。

だがパールの父は病気で体がほぼ動かない。母は父の世話をしながら農場を経営し、パールを育てている。

厳格な母、動けない父、貧しい農場。これらの現実から逃れ、華やかな夢を叶えたいと願うパール。

ある日、街でダンス・グループのオーディションがあることを知ったパールは、母に内緒でオーディションに参加しようとするが……。

ヒット映画『X エックス』に登場した殺人鬼パールが初めて人を殺めた事件を描いた作品。

映画『Pearl パール』ネタバレ感想

映画『Pearl パール』のネタバレを含みます。

母の苦悩

パールの母が背負っていたもの。動けなくなった夫とその介護。貧乏農場の経営。独り立ちできていない娘。

時代は戦時中。しかも、スペイン風邪が猛威を振るっている。

母にしてみれば、今自分が倒れたらすべてが終わってしまうという気持ちだったのだろう。夫も、娘も、農場も、すべて。

そんな母だからこそ、厳格にルールを作り、自ら守り、そしてパールにも守らせようとしたのだろう。

だが、母も本心ではもっと自由に行きたいと思っていた。でも自分らしさを求めたりしたら、夫は、娘は、農場は、どうなってしまう?

結果、母は苦しみながらも自ら作ったルールで自らを縛り、パールも縛ったのだろう。

決して母は娘を苦しめようとしたわけではない。むしろ逆に、母は真面目で優しい人だからこそ、自分にも、パールにも、厳しくあたったのではないだろうか。

パールが本当に欲しかったもの

パールは映画スターになりたいという夢を持っていた。だが、周囲はその夢の実現を阻む。

なんとかして夢を実現したいパールが取った行動は、阻む者たちの排除。パールは、父を、母を、多くの人を、その手で殺めていく。

だがオーディションに落ちたとき、パールは自らが本当に欲しかったものに気づく。

ただ愛されたかっただけ。幸せになりたかっただけ。

おそらくほとんどの人が望むことだろう。愛されたい。幸せになりたい。だがパールは、それを得ようとして暴力的な手段を用いてしまった。自らを苦しめる者たちを殺してしまった。

パールを苦しめていた者たちも、パールを嫌っていたわけではない。むしろ愛していた。だが不幸なことに、パールにとって彼・彼女らは、自らの夢、幸せの実現を阻む存在になってしまっていた。

パールも、彼・彼女らも、もっと互いの立場や苦しみを理解し合えたら、こんなに不幸な結末にはならなかったかもしれない。

最後の笑顔の意味

映画『Pearl パール』は、パールが泣きながら笑う顔で幕を閉じる。

あのとき、パールの前に居たのは、戦争から帰還した夫ハワード。

ハワードに対して向けられたあの笑顔には、どんな意味が込められていたのか。

取り返しのつかないことをしてしまった。

でももう自分を責めないでほしい。

私も苦しんでいる。

どうか、あなたは私を愛してほしい。

そんな想いが込められていたのではないだろうか。

このあと、パールがどうなったのかは、前作『X エックス』で描かれている。

まだ未視聴の方は、愛されたいと願った殺人鬼パールの晩年をぜひ見届けてほしい。

【パールの晩年を描いた前作】

【本作】

 

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