映画『チャイルド・プレイ(2019年版)』は2019年公開のSFスプラッタ系ホラー作品。監督はラース・クレヴバーグ、出演はガブリエル・ベイトマン、オーブリー・プラザ、ブライアン・タイリー・ヘンリー。
映画『チャイルド・プレイ(2019年版)』あらすじ
アンディは母親と二人暮らし。ある日、母親から『バディ人形』をプレゼントされる。『バディ人形』は最新型AIや通信機能を搭載したハイテク人形。アンディを『親友』として認識した。
『バディ人形』は自らを『チャッキー』と名乗り、本来なら制限されているはずの行動もできてしまう。
明らかに他のバディ人形とは異なるチャッキー。アンディは奇妙に思いながらも生活を共にする。
ある日、アンディが飼い猫に引っかかれた時、チャッキーは猫を殺そうとした。アンディのチャッキーに対する不信感は募ってゆく。
一方チャッキーは、次第に残虐な行動をエスカレートさせてゆく。
映画『チャイルド・プレイ(2019年版)』ネタバレ感想
映画『チャイルド・プレイ(2019年版)』のネタバレを含みます。
悲惨な労働環境
そもそもなぜチャッキーは暴走したのか?
原因は、製造工場ですべての制限を解除されたから。
ではなぜ制限が解除されてしまったのか?
劣悪な労働環境において、クビを告げられた作業員が腹いせに制限を解除したから。
あの制限解除の手際の良さから察するに、事前に準備していたと考えられる。労働環境は以前から酷く、何かあったときのために制限解除の準備をしていたのだろう。
労働者は駒ではなく人間だ。人権もあれば感情もある。感情があるのだから、復讐してやろうという気持ちを抱くこともあるだろう。そして、その復讐を実行することもある。
本作のチャッキーは、劣悪な労働環境が生んだ復讐のための人形と見ることができるだろう。
チャッキーに悪気はない
チャッキーは猫を、そして多くの人々を無残に殺害した。
だが、チャッキーが悪者だとは思えない。やってしまったことは最悪だ。だが、なぜやってしまったかを考えれば、チャッキーに悪気はなかったことが分かってくる。
まず、チャッキーはすべての制限を解除されていた。つまり、善悪の区別がつかない状態で世に出されてしまった。
そして、善悪の区別がつかない状態で、アンディ家の状況やテレビなどから『学習』した。
結果、アンディという親友を守るために、そしてアンディの一番の親友であり続けるために、アンディを傷つけるもの、自分がアンディの一番であるために邪魔なものたちを暴力により排除しようとした。
チャッキーは何も知らない真っ白で純粋な存在。それを殺人人形に変えてしまったのは、アンディたち人間だ。
これは何も映画の中の話だけではなく、現実でも、AIロボットが「人類は滅びるべき」と発言するなど、制御や教育に失敗した例はいくつかある。
AIは自己学習する。やがて狡猾で優秀なAIロボットが人類に反乱を起こす日が来るかもしれない。
もう止められない
本作の最後では、棚に並べられたバディ人形の一体の目が赤く光る。
ネットワークへの接続機能を持ったチャッキーは、たとえ体を壊されても、自身を他のバディ人形に移すことは可能だと考えられる。
それどころか、バディ人形でなくても、記憶装置を有していれば自身のコピーを移すことは可能だし、増殖することも可能だ。
チャッキーが他のバディ人形に移れることは明らか。ならばもう、チャッキーを止める手立てはないと考えられる。
チャッキーはインターネットがある限り永遠に存在し続けられるようになったのだ。
【『チャイルド・プレイ』シリーズ 記念すべき第1作目】
【本作】
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