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【映画】ブルーベルベット~あらすじと感想~好奇心から始めた行動により、やがて倒錯した世界に引き込まれる

映画『ブルーベルベット』あらすじと感想

映画『ブルーベルベット』は、1986年公開、デヴィッド・リンチ監督、 カイル・マクラクラン、ザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン出演によるサスペンス。

映画『ブルーベルベット』あらすじ

ジェフェリーは大学を休学して田舎町ランバートンに帰郷した。

入院した父の見舞いから帰る途中、草むらで、切り落とされた人間の耳を見つける。

事件として捜査されるが、警察官ではないジェフェリーは事件の情報を教えてもらえない。

好奇心から事件について調べ始めたジェフェリーは、女性歌手ドロシーの関与を疑い始める。

ジェフェリーはドロシーの部屋に忍び込む。そこでジェフェリーは、倒錯的で狂気的な性欲の世界を目にしてしまう。

その日から、ジェフェリーは世界の暗闇の部分へと徐々に引きずり込まれてゆく。

映画『ブルーベルベット』ネタバレ感想

映画『ブルーベルベット』のネタバレを含みます。

平和な街の、その中身

『ブルーベルベット』の舞台となったランバートンの街は、絵に描いたような長閑な田舎町。見るからに平和そうで、住む人々も穏やかそうだ。

だが、どんなに穏やかな街だろうと、大勢の人が住んでいるのなら、何も汚れが無いわけがない。

どんなにきれいに整えられた庭だろうと、よく見れば虫が、鳥が、その他の生物たちが、捕食し、捕食されている。

街には人が住んでいる。家族で生活を共にするもの、一人で住んでいるもの。いくつもの家が建ち、それぞれの家の中で何が起きているかなど、周囲の人間にはわからない。

外では常識人であっても、家の中では異常かもしれない。

平和な街。だが複数の人間がそこに住んでいるのなら、その中に異常者が紛れていても何ら不思議はない。

安易に入り込むと……

ジェフェリーがドロシーの家に忍び込んだのは、最初は好奇心だったのかもしれない。自分が発見した耳。その耳を巡る事件。その事件について詳細を知りたかった。ただそれだけだったのかもしれない。

だが、好奇心に駆られて入り込んだ家の中で、ジェフェリーは異常な光景を目撃してしまう。

目撃しただけでなく、巻き込まれてしまう。それどころか、自分からさらに踏み込んでしまう。

結果、フランクたちに捕まり、殺されてもおかしくない状況にまで追い詰められた。

他人には他人の人生がある。他人の家の中で何が起きているかなど分かったものではない。他人の家には他人の家のルールがあり、住人達が積み上げてきた歴史があり、独自の人間関係がある。

他人の家の中は別世界と言ってもいい。

その別世界に入り込むと、異常な世界に引き込まれるかもしれない。

他人の家になど安易に入り込むものではない。もしも入り込むのなら、元の日常には戻れないかもしれない、というくらいの覚悟をした方がよい。

そこは別世界なのだから。

【本作】

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