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【映画】チャーリー~あらすじと感想~やんちゃな犬が孤独な男を変える。男は犬の願いを叶えるために旅に出た

映画『チャーリー』あらすじと感想

映画『チャーリー』は、2022年インド公開、 キランラージ・K監督、 チャーリー、ラクシット・シェッティ、サンギータ・シュリンゲーリ、ラージ・B・シェッティ、ダニシュ・サイト、ボビー・シンハー出演によるヒューマンドラマ作品。

映画『チャーリー』あらすじ

周囲の人々に対して心を閉ざして生きる男性ダルマ。

ある日、一匹のラブラドール・レトリーバーがダルマのもとに現れる。

半ば強引にダルマの家に住み着いたラブラドール。

家の中で大暴れするラブラドールにダルマは怒りを募らせてゆくが、ある出来事をきっかけに、ダルマとラブラドールとの間に愛情と絆が芽生え始める。

だが、過酷な現実が襲いかかる。

ラブラドールは不治の病にかかっていたのだ。

「本物の雪を見たい」

ダルマはラブラドールの想いに気付き、インドを南から北へ、はるかヒマラヤを目指してラブラドールとともに旅に出る。

自分に幸せをくれたラブラドール、チャーリーに恩返しをするために。

映画『チャーリー』ネタバレ感想

映画『チャーリー』のネタバレを含みます。

閉じた扉を開くもの

ダルマが心を閉ざしてしまった理由は、幼い頃に家族を事故で失ってしまったから。

ダルマの心には「もう二度と、大切な人を失うことで苦しみなくない」という思いがあったのかもしれない。「大切な人がいなければ、大切な人を失うこともない」という思い。

そんなダルマの心を強引にこじ開けたのが、ラブラドール・レトリーバーのチャーリーだ。

もしもチャーリーが人間だったら、話はそう上手くいかなかったかもしれない。ダルマの中に「なんで分かってくれないんだ」という思いが生まれ、チャーリーに対して怒りを募らせていったかもしれない。

だがチャーリーは犬だ。

家の中を滅茶苦茶にされても、ダルマは「犬だから仕方がない」と思っただろう。

そんなダルマの心をチャーリーがこじ開けた決定的瞬間は、ダルマが倒れて病院に運ばれたとき、病院の中まで走って追いかけてきたチャーリーを見たときだったと思う。

一途に自分のことを心配してくれるチャーリーの姿を見て、ダルマの閉ざされた心が開き始めたのだろう。

悲しい現実、そして旅へ

ダルマはチャーリーのお陰で変わり始めた。

周囲の人々に対して優しく接しようとするようになった。同じ職場の人達からも「ダルマさんは変わった」と言われるくらいに。

だが何もかもがうまくいく訳がない。

チャーリーの体を蝕む『血管肉腫』という病。ラブラドール・レトリーバーに多い病で、効果的な治療法はなく、延命治療を行うしかない病。

ダルマはチャーリーに本物の雪を見せてあげるために、仕事を休み、有り金をはたいて、インドを南から北へバイクで旅することを決意する。

旅の途中、様々な出会いがあった。これがもし、無骨な男の一人旅だったら、周囲の人々との交流はあまり多くなかったかもしれない。だがチャーリーが居てくれたおかげで、チャーリーを間に挟んで、ダルマは人々と交流できた。

チャーリーへの恩返しの旅ではあったが、この旅の途中でも、ダルマはチャーリーに救われ、良い意味で人生を変えてもらっていたのだと思う。

そして、チャーリーとの物語は続く

ついに、雪の降るヒマラヤに到着したダルマとチャーリー。

はしゃぐチャーリー。チャーリーとともに遊ぶダルマ。

「もうつかれたよ」と言って座り込んでしまったダルマだが、またチャーリーと遊び始めたのは、もしかしたらチャーリーと触れ合える時間が残り少ないことを意識していたからかもしれない。

そして現実が突きつけられる。

最期の時を迎えるチャーリー。雪山の小さな山小屋で、ダルマの腕に抱かれて静かに息を引き取ったチャーリー。

悲しみに囚われるダルマの耳に聞こえてきたのは、子犬の鳴き声。チャーリーは自分の子供を残していたのだ。

チャーリーはもう居ない。だが、ダルマのもとにはチャーリーの子供が残された。

ダルマは変わった。動物愛護団体を設立し、人々と交流し、今も苦しむ動物たちのために生きるようになった。その姿はチャーリーと出会う前のダルマとはまるで別人だ。

この先も、ダルマとチャーリーの物語は続いてゆくのだろう。そして、チャーリーがダルマを救ってくれたように、ダルマもまた、誰かを、動物たちを救ってゆくのだろう。

悪徳ブリーダー

映画『チャーリー』には、悪徳ブリーダーに関するメッセージも込められている。

遠いインドの話、ではない。日本でも、悪徳ブリーダーによって劣悪な環境で育てられている動物たちが今もなお見つかっている。

また、「飼ってみたけど、育てられないから捨てた」などという自分勝手な飼い主もいる。

私達にできることは何だろう?

劣悪な環境で育てられている動物を見つけたら、動物愛護団体などに迷わず通報する。

動物を飼おうとするときは、その動物がどうやって育てられたのかを調べる。

そもそも、本当にその動物を自分が飼えるのかを考える。

飼ったからには、その生命に最期まで責任を持つ。

このようなことを意識するだけでも、少しずつ良い方向に世界は変わってゆくのではないだろうか。

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