映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』は2002年公開のファンタジー作品。監督はピーター・ジャクソン。出演はイライジャ・ウッド、ショーン・アスティン、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの第2部にあたる作品。
第1部・第3部については以下の記事をご覧ください。
>>第1部【映画】ロード・オブ・ザ・リング~あらすじと感想~邪悪な魔力を秘めた指輪を捨てる旅へ
映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』あらすじ
強大で邪悪な力を持った指輪を捨てる旅の途中、旅の仲間たちはばらばらになってしまった。
指輪を持ったフロドとサム。
敵のオークとウルク=ハイに捕まってしまったメリーとピピン。
そして、メリーとピピンの救出に向かったアラゴルン、レゴラス、ギムリ。
フロドとサムは、指輪を捨てるため、モルドールの滅びの山に向かっていた。
だが、彼らの後をつける者がいた。
夜、眠りについたフロドとサムに、後をつけていた何者かが襲いかかる。
一方、メリーとピピンはオークとウルク=ハイに捕まったまま夜を迎える。
森の側で休息をとっていたオークとウルク=ハイたちを、何者かが襲撃する。それは、人間の王国ローハンの騎士たちだった。
翌朝、メリーとピピンを救出するために後を追っていたアラゴルンたちは、ローハンの騎士たちと遭遇する。
アラゴルンたちは、ローハンの騎士たちから、オークとウルク=ハイの一団を殲滅したこと、メリーとピピンには気付かなかったことを聞く。
アラゴルンたちは急いで昨夜の戦闘の跡地に向かった。
そこにはオークとウルク=ハイたちの死体が山と積まれていたが、メリーとピピンの姿は見当たらない。
それでも三人は、メリーとピピンの痕跡を探すのだった。
映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』感想
映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のネタバレを含みます。
フロドとサムの反応
フロドとサムは、旅の途中でゴラムに遭遇した。
ゴラムは二人に襲いかかる。
エルフの紐で捉えられたゴラムは、フロドとサムに紐を解いてくれと懇願した。
これに対して、フロドは紐を解こうとし、サムは解いてはいけないとフロドを説得しようとた。
フロドとサムの反応は正反対。
フロドはゴラムを信じ、紐を解いてあげる見返りに道案内を頼もうとした。
一方サムは、紐を解いたらゴラムは絶対に寝首を掻きに来るに決まっていると主張。
結果、フロドは紐を解き、ゴラムは二人を道案内した。
相手を信じて親切にするのか、それとも信用せずに警戒し、敵視するのか。
どちらが良いのかは、相手によるとしか言えない。どんな結果になるのかも、やってみないと分からない。
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』でも、もしかしたら、ゴラムはフロドたちを欺き、サムが言ったように二人の寝首を掻いていたかもしれない。
親切には親切で応える。
信頼には信頼で応える。
他人同士でもそんな関係が築ける社会であってほしいのだが、現実には、相手を警戒したり、親切にしてくれた人の寝首を掻くような人も結構いるように思える。
ゴラムの反応
フロドに紐を解いてもらったゴラムは、二人の道案内をした。
だがゴラムも一辺倒ではない。
どうやらゴラムの中には二つの人格が存在するようだ。
フロドたちを信頼する人格。フロドたちを信頼しない人格。
他人から親切にしてもらった際、素直に親切を受け取る人と、変に勘ぐる人とがいる。
素直にありがとうと言える人。
親切にしてくれたけど、何か裏があるんじゃないかと疑う人。
裏があるんじゃないかと疑う人は、過去に裏切られた経験があったり、裏切られた話を聞いたりしたのかもしれない。
世の中の親切な人は大半が、純粋に親切な人だと思うし、そうであって欲しいと願う。
その一方で、親切を装って自分を信頼させて、相手から何かを奪おうとするような悪人もいる。
フロドたちはゴラムを騙そうという気はなかった。
だが、フロドたちは騎士団に捕まった時、仕方がなかったとはいえ、ゴラムを捕らえる手助けをしてしまった。
フロドたちを信頼していたゴラムの悲しみは相当深かったのではないだろうか。
信頼は、築くのは大変だが、失うのは一瞬。さらに、失った信頼を取り戻すのは至難の業。
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のラストシーンでも、ゴラムの中にあったフロドたちを信頼する人格は、二人を信頼しない人格に負けてしまった。
「二人を殺す」と言ったゴラムは、この先、どのような行動に出るのだろうか。
歩みを止めない
ゴンドールでナズグルに襲われたフロドとサム。
「僕はもうだめだ」というフロドに対し、サムは言った。
「暗闇はいつか消え、太陽が照らす。物語の主人公たちは決して道を引き返さなかった」
途中で諦めないこと。
諦めなかったから勝利し、暗闇を消し去り、太陽が照らす平和な世界を守り抜いたこと。
そして、この世界には守るに足る尊いものがあるのだということ。
『尊いもの』が何であるかは、人によって異なるだろう。
それは、大切な人のことかもしれない。大切な物のことかもしれない。形のない何かのことかもしれない。
尊いものを守るため、決して諦めず、前進し続けたからこそ、勝利を掴むことができるのだろう。
かくして、再び前に進み始めたフロドたち。
この先、まだまだ困難が待ち受けていることだろう。
次回はついに最終話。
フロドたちの旅はどのような結末を迎えるのだろうか。