映画『チケット・トゥ・パラダイス』は、2022年公開、 オル・パーカー監督、 ジュリア・ロバーツ、ジョージ・クルーニー出演によるラブコメディ作品。
映画『チケット・トゥ・パラダイス』あらすじ
ジョージアとデヴィッドは性格の不一致から喧嘩が絶えずに離婚した元夫婦。
顔を合わせれば言い争いをする二人だが、今日は一人娘の大学の卒業式。
なんとか娘の卒業式を終え、旅行に出る娘を送り出したけど……。
娘が旅行先で出会った男と結婚すると言いだした!
娘の結婚を阻止するために、娘のいる南の島へ向かう二人。
今回だけは協力して娘を取り返そうとするけれど、娘の意思は固いようで……。
映画『チケット・トゥ・パラダイス』ネタバレ感想
映画『チケット・トゥ・パラダイス』のネタバレを含みます。
役割の変化
妻ジョージアが結婚生活にピリオドを打った理由の一つは、母親という役割に耐えられなかったから。
誰だって生きていれば、役割は変わるし、増える。子供から親になる。新入社員も上司になる。
生まれつき親だった人など居ない。生まれつき上司だった人も居ない。
役割が変われば、新たな役割が加われば、誰だって戸惑うし、誰だって失敗する。
戸惑い、失敗する中で、次第にその役割が自分に馴染んでくるものだが、時には、その役割に耐えきれなくなることもある。
そしてジョージアのように、その役割を捨ててしまうこともある。
親の心配
自分の子供が結婚する。当然、親は一度は結婚し、子育てもしている。だから、自分たちの経験から、子供が自分たちと同じ失敗をしないように、少しでも苦労しないように心配して、心配のあまりお節介を焼く。
本作『チケット・トゥ・パラダイス』でのジョージアとデヴィッドの行動も、まさに『親のお節介』だ。
だが結局のところ、子供は親の心配などよそに自分の人生を歩んでゆく。
必死に勉強して弁護士になったのに、そのすべてを捨てて南の島の漁師に嫁ぐ。
親からしたらとんでもない気の迷いとしか思えないだろうが、子供は真剣に考えて決断している。
いつの日か、『漁師の妻』という役割に嫌気が差す日が来るかもしれない。
楽園だと思っていた南の島も日常となり、平凡な日々となってゆくだろう。
その時に、どのような決断を下すのかは本人次第。それもまた人生ってものではないだろうか。
真剣に向き合うこと
好きの反対は無関心だという。嫌いだと言っている間は、まだ相手のことを想っている。相手が変わってくれるかもしれない、相手とやり直せるかもしれない。そんな期待をまだ心の何処かで抱いている。
ジョージアとデヴィッドも、顔を合わせれば喧嘩ばかりだが、裏を返せばまだ相手のことを想っているということ。
そんな二人が南の島で、熱帯雨林のような大自然の中で、互いに想いをぶつけ合った。
結果として、二人は再確認した。心の底では相手のことを想い続けていたのだと。
映画『チケット・トゥ・パラダイス』のラストでジョージアとデヴィッドは島から帰るための船から飛び降りた。
あのまましばらくあの島に滞在するのかもしれない。また船に戻って帰国するのかもしれない。
お互いの心の内をぶつけ合い再び結ばれた二人は、あの楽園からまた共に歩きだすのだろう。
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