映画『ラブ・アゲイン』は、2011年公開。監督はグレン・フィカーラ、ジョン・レクア、出演はスティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーン、マリサ・トメイ、ケヴィン・ベーコン。
後に映画『ラ・ラ・ランド』で主演するライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが出演していることでも注目されているラブ・コメディです。
映画『ラブ・アゲイン』あらすじ
キャル・ウィーバーは妻エミリーと学生時代に結婚をし、そのまま中年になった。
子供も授かり幸せな結婚生活を送っていたはずのキャルだったが、ある日、妻エミリーから「浮気をした」と告白される。
エミリーも反省していたが、キャルは納得がいかず、離婚してしまう。
毎晩のようにバーに通い、バーテンダーに自分の不幸話を語るキャル。そんなキャルを見かねて、ジェイコブ・パーマーというナンパ師が、キャルに「女性からモテる方法」を教えてやると話を持ちかけてくる。
身だしなみから話し方まで、キャルはジェイコブから「モテる方法」を教え込まれ、次第にナンパ師へと変身していく。
だがキャルは、元妻エミリーへの想いを断ち切ることができない。
そしてまたエミリーも、キャルへの想いを断ち切ることができずにいた。
やがて、マジメ男キャル、ナンパ師ジェイコブ、さらにはキャルの息子で中学生のロビー、それぞれが「真実の愛」を求めて進み始める。
映画『ラブ・アゲイン』ネタバレ感想
映画『ラブ・アゲイン』のネタバレを含みます。
離婚の原因
キャルとエミリーが離婚した直接の原因は、エミリーの浮気。
映画『ラブ・アゲイン』を観ていて、最初は「キャル、可愛そうだな」と思っていたのだが、物語が進むに連れて、次第に別の考えも浮かぶようになった。
「あ、これ、キャルにも原因があるな」
もちろん、浮気したエミリーが悪い。結婚していながら別の男と一夜を共にしたエミリーが一番悪い。
だが、すっかりダサくて惨めったらしくなってしまったキャルに、エミリーが愛想をつかすのも分からなくはない。
髪形や服装だけでなく心の中までも、すっかりだらしなくなってしまったキャル。男性としての魅力は皆無。良い父親ではあったのだろう。だが、良い男からは程遠い。
夫に男としての魅力を全く感じなくなってしまった妻エミリーは、一時の気の迷いから同僚の男と身体を重ねてしまう。
これは決して珍しいパターンではなく、むしろありふれた浮気パターンではないだろうか?
映画『ラブ・アゲイン』では妻が浮気をしたが、全く同じ理由で夫が浮気するパターンもある。
すっかりだらしなくなって女性としての魅力を失ってしまった妻に愛想をつかし、一時の気の迷いから魅力的な女性と身体を重ねてしまう。
不倫を肯定するつもりは全くない。ないのだが、不倫されてしまった人も、自分に原因が無かったか考えてみてはどうだろうか?
男性も女性も、映画『ラブ・アゲイン』でナンパ師ジェイコブがキャルに語った言葉を素直に聞いて、キャルを自分に置き換えてみると、なにか気付くことがあるかもしれない。
逃げない
キャルはエミリーから不倫の話を聞いているとき、走っている車から飛び降りた。「もう聞きたくない」と。
キャルは、不倫、そして離婚という嫌なことから逃げた。逃げずに話し合っていれば、離婚することもなかったかもしれない。
嫌なことから逃げて、バーで腐っていたキャルを見かねたジェイコブ。キャルはジェイコブの言葉で変わり始め、男性としての魅力を取り戻していった。
そしてキャルはエミリーがまだキャルのことを想っていることを知り、今度は逃げずにエミリーと向かい合おうと心を決めた。
嫌なことから逃げていても何も変わらない。本当に手に入れたいものがあるのなら、嫌なことにも向かい合う勇気が必要だ。
逃げずに向かい合うことを選んだキャルは、映画の冒頭とラストでは別人のようだった。
紆余曲折はあったが、悩み、努力し、自分を見つめ直した結果だろう。
ところで、キャルとジェイコブはいずれ、父と義理の息子の関係になることだろう。家族になったキャルとジェイコブの姿も見てみたい気がする。
【本作】
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