
今日は『ゲット・アウト』というホラー(スリラー)映画のあらすじと感想を書いていくよ

前半はとにかく不気味だったんだけど、不気味な理由がわかったら余計に不気味になったよ……

この映画はなるべく何も知らない状態で観てほしいよね

うん。クリスさんと一緒に不気味さを感じてほしいよね
映画『ゲット・アウト』基本情報とあらすじ
ネット上には『ゲット・アウト』の予告編ムービーもありますが、できれば観てほしくありません。
あらすじも、なるべく当たり障りのない内容に留めておきます。
主人公クリスと同じ気持ちを味わってください。その方が絶対に面白いです。
タイトル | ゲット・アウト (原題 Get Out) |
ジャンル | スリラー |
監督 | ジョーダン・ピール |
主演 | ダニエル・カルーヤ |
公開年 | 2017年 |
あらすじ
写真家のクリスは恋人のローズの家に挨拶に行くことになった。
クリスは黒人、ローズは白人。
クリスは黒人である自分がローズの両親に受け入れられるか気にしていた。
ローズの家につくと、クリスは歓迎される。
ローズの家には、ローズの両親と弟が一人、そして黒人の使用人が二人いた。
クリスがローズ家を訪れたその日は、ちょうどローズ家で大きなパーティが開かれる前日。
クリスもそのパーティに招待された。
ローズの家に宿泊するクリス。
やたら馴れ馴れしいローズの家族。奇妙な行動を取る使用人たち。
パーティに訪れた人々も、クリスをやたらと褒める。
パーティの参加者は白人ばかりだったが、たった一人、黒人男性がいた。
クリスは、その黒人男性の写真を撮ろうとしたが、カメラのフラッシュをオフにするのを忘れていた。
フラッシュの光を浴びた瞬間、黒人男性は狂ったように、クリスに向かって「ゲット・アウト! ゲット・アウト!(出て行け! 出て行け!)」と叫びながら掴みかかってくるのだった。
映画『ゲット・アウト』感想

ネタバレを含みます
流行りは黒人
映画『ゲット・アウト』では、白人男性が「今の流行りは黒人だ」と主人公で黒人のクリスに言う場面があります。
黒人のほうが強く、美しい。
もちろん、この言葉には裏があるわけで。
なぜクリスがあのパーティーに呼ばれたのかを知ってしまえば、この「流行り」という言葉が別の意味で使われていたのがわかります。
「流行りは黒人」と言った白人男性は、「強靭な黒人の肉体を手に入れることが私たちの間で流行っている」と言っていたのでしょう。
後のビンゴゲームでは、景品はクリスの肉体そのものでした。
「流行りは黒人」と言った白人男性も、あのパーティーに出席していた全ての白人にとっても、クリスは景品でしかなく、あのパーティーはクリスの品定めの意味合いもあったのでしょう。
「ゲット・アウト!」
パーティーのシーンで、クリスがある黒人男性に向けてフラッシュの光を浴びせてしまいます。
その光を浴びた男性は、クリスに対して「ゲット・アウト!(出て行け!)」と叫びながら向かってきました。
クリスがローズ家に呼ばれた本当の意味を知る前は、「ゲット・アウト!」は「出て行け!」という意味かと思いました。
フラッシュの光で何か発作を起こして、取り乱して叫びだしたのかと。
でも、クリスがなぜローズ家に呼ばれたのかを知った後は、「ゲット・アウト!」は「出て行け!」ではなく、「今すぐここを出るんだ! 殺されるぞ!」という必死の忠告だったと理解できます。
もしも「ゲット・アウト!」と言われたあの時、クリスが真の意味に気付いていれば。
気付いていても、逃げ出すことは不可能だったかもしれませんね。あれだけの人数に囲まれた中、すでに催眠術をかけられていたのですから。
人種差別
催眠術にかけられ、椅子に括り付けられたクリスは、ついに自分がこの家に呼ばれた理由を知ります。
肉体を提供するため。クリスの側から見れば、肉体を奪われるためにローズの家に呼ばれたのでした。
気持ちの悪い話です。
あのパーティーに集まっていた白人たちは、クリスのことを『交換用の部品』とでも考えていたのでしょう。
とても、同じ人間だと考えていたとは思えません。
若返りたい。
若い肉体を手に入れたい。
美しく強靭な肉体が欲しい。
自分勝手な願いのために、クリスを、そして黒人たちを利用する。それも、使い捨ての道具のように。
『ゲット・アウト』の監督は、この『黒人を交換用の部品のように扱う白人』を描くことで、人種差別について訴えたかったのでしょう。
今なお残る人種差別。
差別意識は親から子に伝えられ、恐らく今後も残り続けることでしょう。
一度染み付いてしまった意識はそう簡単には変わりませんし、幼い頃から親に叩き込まれた差別意識は一生心にこびりついたままでしょうから。
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