【映画】ザ・セル~あらすじと感想~異常犯罪者の精神世界に入り込む

映画『ザ・セル』あらすじと感想
あゆき
あゆき

今日は『ザ・セル』というSFサスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

あるふぁ
あるふぁ

昏睡状態の異常犯罪者の精神世界に機械を使って入り込んで、拉致された女性が監禁されている場所を聞き出すっていうお話です

あゆき
あゆき

精神世界の描写が美しい。2000年公開の映画なので、まだCGよりも実写が多く使われているのも特徴なんだ

あるふぁ
あるふぁ

物語は単純だけど、その分、込められたメッセージが分かりやすく伝わってきます。誰もが真剣に考えなきゃいけない内容ではないでしょうか?

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映画『ザ・セル』基本情報とあらすじ

タイトルザ・セル
(原題 The Cell)
ジャンル

サスペンス
SF

監督ターセム・シン
キャスト

ジェニファー・ロペス
ヴィンス・ヴォーン
ヴィンセント・ドノフリオ

公開年

2000年(日本では2001年)

備考

>>Wikipedia『ザ・セル』ページ

あらすじ

連続殺人犯カール・スターガーが逮捕された。

スターガーは昏睡状態に陥っており、拉致されている被害者の居場所を聞き出すことは不可能。

被害者の居場所を突き止めるため、スターガーはある医療施設に運び込まれた。

その施設では、機械を使って患者の精神世界に入り込み、精神世界で患者と会話し、患者の精神的回復を試みるという治療が行われていた。

小児科医のキャサリンが、スターガーの精神世界に入り、被害者の居場所を聞き出すことになった。

連続殺人犯の精神世界。狂気の世界でキャサリンは、正常なスターガーと異常なスターガー、二人のスターガーと出会う。

そして明らかになるスターガーの過去。

拉致されている被害者を救うため、そして、スターガーのため。キャサリンは異常な世界を探索する。

映画『ザ・セル』感想

あゆき
あゆき

ネタバレを含みます

なぜ異常犯罪者になってしまったのか?

スターガーの精神世界で、キャサリンはスターガーの過去を知りました。

父親からひどい虐待を受けていたスターガー。

さらに、洗礼式で川の水に沈められたスターガー。

苦しみから逃れるために別人格を作った、と考えられます。

キャサリンが精神世界で出会った少年のスターガーが本当のスターガー。悪魔のような格好をした大人のスターガーは、異常な世界から身を護るために創られた『異常な世界に順応したスターガー』といったところでしょうか?

そして、少年のスターガーが『小鳥を父親から守るために水に浸けて殺した』と語ったことから分かるように、スターガーにとって『水に浸けて殺す』という行為は『相手を救うため』に行っていたと考えられます。

スターガーの異常性は、明らかに幼少時代に受けた虐待によるもの。

まだ心が柔らかい幼少期にひどい傷をつけられ、歪まされた心は、大人になっても治ることはなく。

スターガーを連続殺人犯にし、多くの犠牲者を出した根本原因は、スターガーの父親と、『洗礼』を行った大人たちにあると言えるでしょう。

救い

もう取り返しがつかないくらい狂ってしまったスターガーの心。

キャサリンがスターガーを救うために最後に行ったことは、スターガーを殺すこと。

『水に浸けて殺すことで助ける』というスターガーの異常な考え方に従い、キャサリンは少年のスターガーを水に浸けて殺したのでした。

映画『ザ・セル』の初めの方で、FBI捜査官が、「犯人は逮捕を願っている」と言っていました。

少なくとも、少年のスターガーは逮捕を望んでいたのではないでしょうか?

自分では止めることができないから、FBIに早く止めて欲しい。

そして、自分を助けて欲しいと願っていたのではないでしょうか?

スターガーにとっての『助け』。それは『水に浸けて殺すこと』。

スターガーは、「自分を殺してくれ」と願っていたのかもしれません。

幼少期の虐待で狂わされてしまったスターガー。

スターガーを異常殺人犯にし、多くの犠牲者を出し、スターガー自身が「早く自分を殺してくれ」と願う。

そんな悲しい結末にスターガーを追い込んでしまった世界。

映画の世界だけでなく、現実の世界でも、スターガーと同様に幼少期の虐待により大人になっても苦しんでいる人たちは少なくないのではないでしょうか?

そのように苦しんでいる人たちを救う行為が、映画『ザ・セル』で描かれたような『殺すこと』では、あまりに悲しすぎます。

虐待しないこと、させないこと。虐待されて狂ってしまった人が他人を傷つけてしまう前に救うこと。

スターガーのように完全に狂ってしまう前に、周囲の人が手を差し伸べること。

一人でも多くの人が、キャサリンのように勇気を持って救おうとするなら、救われる人も増えるかもしれません。

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