
今日は『手紙は憶えている』というサスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

痴呆症の老人がたった一人で復讐の旅に出ます。頼りは一通の手紙だけ。もう90歳。身体も弱っています

この老人がまさか復讐のために旅しているなんて思いもしない人たちが、老人の旅を助けてくれるんだ

人の親切さが見れるけど、旅の目的は復讐。人の心の明るい面と暗い面の両方が描かれている映画でした
映画『手紙は憶えている』基本情報とあらすじ
タイトル | 手紙は憶えている (原題 Remember) |
ジャンル | サスペンス |
監督 | アトム・エゴヤン |
キャスト | クリストファー・プラマー |
年齢制限 | PG12 |
公開年 | 2015年(日本では2016年) |
備考 |
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あらすじ
ゼヴは90歳。痴呆症が進み、妻が亡くなったことも忘れることがよくあった。
ゼヴと友人マックスには、ある共通の想いがあった。
ある男への復讐。ゼヴとマックスにとって、決して許すことのできない男への復讐。
マックスは、苦労の末、その男の居場所を突き止めた。だが、その男の候補は四人。目的の男は四人の中の一人だけ。
さらに、マックスは車椅子生活を送っている。そのため、復讐はゼヴに託された。
ゼヴはマックスから受け取った手紙を頼りに、たった一人、復讐の旅に出る。
ゼヴとマックス、二人の復讐は果たされるのか?
映画『手紙は憶えている』感想

ネタバレを含みます
旅で出会った同士
ゼヴが復讐の旅で二番目に出会った男性は、探していた相手ではありませんでした。
入院しているその男性も、アウシュビッツに収容されていた過去を持つ人。
悲惨な状況の中、生き残り、そして生きてきた男性でした。
男性の過去を知ったゼヴは、疑ってしまったことを詫びて涙を流します。
そんなゼヴを男性は、優しく受け止めるのでした。
あの男性の心には、復讐心はあったのでしょうか?
ゼヴが何をするために現れたのか、分かっていたはず。
でも止めなかった。ということは、男性の心にも復讐心はあったのでしょう。
二人目の男性の元を去ったとき、ゼヴはこの男性の復讐心も背負っていた。
恨みの念というのは簡単に消えるものではありません。
どれだけ時が流れようと、心を抉られたときと同じ新鮮さで再び心を抉ってきます。
復讐
ゼヴの中にあった復讐心。それは、ゼヴが人生をかけて貫き通してきた嘘から生じた想いでした。
マックスは、ゼヴが何者かを見抜いていた。そして、ゼヴが認知症であることを利用して、ゼヴがアウシュビッツからの生存者だと信じ込ませた。
ゼヴからしてみれば、自らの過去を隠すために『アウシュビッツからの生存者』と嘘をついて生きてきたのですから、認知症になった今、マックスの言葉に疑いすら持たなかったことでしょう。
この映画『手紙は憶えている』で描かれた復讐劇は、全てマックスが仕組んだもの。
オットー・ヴァリッシュ(ゼヴの本名)とクニベルト・シュトルム(四番目の男)が二人とも死んだことで、マックスが仕組んだ復讐劇は、マックスにとって最高の終りを迎えたと言えるでしょう。
もしも、どちらか一人だけが生き残ったとしても、おそらくもう一人は殺人罪で警察に捕まることでしょう。
マックスにとって最悪の結果は、ゼヴがクニベルト・シュトルムに辿り着くことなく旅を終え、施設に連れ戻されること。
もしもそうなったとき、マックスはどうするつもりだったのでしょうか?
ゼヴに真実を告げる? それとも、マックスの手で、せめてゼヴだけでも殺害する?
それとも、再びチャンスを探って、ゼヴに復讐の旅を再開させる?
今のマックスにとって、復讐こそが再優先事項。人生の全てと言っても良いかもしれません。
もしもゼヴが失敗しても、ゼヴとマックスの命がある限り、マックスの復讐劇は続くのでしょう。
それほどに、復讐、すなわち恨みというのは重いもの。
何十年経とうと消えるものではないのです。
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