
今日は『ナインスゲート』というオカルト・サスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

世界に三冊しか残っていない悪魔の書。そのうちの一冊の真贋を確認するよう依頼された男性が、不気味な事件に巻き込まれていくんだよね

何となくだけど、この映画を本当に楽しむためには、相当な前提知識が必要なんじゃないかと思ったよ

うん。私も気になって調べてみたんだけど、原作版は高い教養が求められるような小説みたいだよ。聖書とか三銃士とかの知識があると相当楽しめるみたい
映画『ナインスゲート』基本情報とあらすじ
タイトル | ナインスゲート (原題 The Ninth Gate) |
ジャンル | オカルト |
原作者 | アルトゥーロ・ペレス=レベルテ |
監督 | ロマン・ポランスキー |
キャスト | ジョニー・デップ |
原作 | >>『ナインスゲート 呪いのデュマ倶楽部』(集英社文庫) |
公開年 | 1999年(日本では2000年) |
備考 |
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あらすじ
コルソは、希少な書物の発掘や売買などを生業としていた。仕事のやり口が汚いため、業界内ではあまり良く思われてはいない。
ある日、コルソは、バルカンという希少書物の収集家から依頼を受ける。世界に三冊しか無い書物『影の王国への九つの扉』の一冊を手に入れたのだが、果たしてこの一冊が本物なのかを確かめて欲しいというのだ。
高額報酬を提示され、依頼を引き受けたコルソ。だが、調査を進めるうちに、コルソの周りで穏やかならぬ出来事が続く。
荒らされるコルソの自宅。コルソの行く先々に現れる謎の女。命の危険すら感じさせる事件。
身の危険を感じながらも、もう引き返すことも出来ず、コルソは『影の王国への九つの扉』残りの二冊を確認するために旅立った。
映画『ナインスゲート』感想

ネタバレを含みます
富裕層の遊び
映画『ナインスゲート』では、悪魔召喚の儀式が行われていました。
テルファー夫人が城で行おうとした儀式は、他にも数十名の悪魔崇拝者が同席していましたが、映画内でも語られていたように、その殆どは本気ではなかったのでしょう。
暇を持て余した富裕層が、遊興として、つまり暇つぶしとして、非現実的な『悪魔召喚ごっこ』に興じていただけなのでしょう。
ごっこ遊びに興じていた富裕層たちとは違い、テルファー夫人は本気だったようです。
ただ、どうやら悪魔召喚に関する知識は欠けていたようで、あのまま続けても上手くはいかなかったでしょう。
悪魔を召喚するには、『三冊の本に分けられた九枚の版画』が必要だったのですから。
謎の女
コルソに協力した謎の女。明らかに人間ではないあの女性の正体は何だったのでしょう?
悪魔側の一人であることは間違いないでしょう。天界側の存在だったら、むしろ『悪魔の書』を排除しようとするでしょうから。
悪魔側の存在。そして恐らく、その役割は、悪魔を召喚しようとしている人間が、本当に悪魔を召喚して、『ナインスゲート』を通る資格があるかどうかを見極めること。
テルファー夫人やバルカンには、その資格が無いと判断したのでしょう。だからこそ、正しい知識を与えなかった。
そして、なぜか気に入られたコルソが、謎の女から正しい知識を与えられ、『ナインスゲート』を通ることを許された(映画はここで終了)。
燃える城の前でコルソと謎の女が性行為をしていたシーン。あのシーンは悪魔の書の版画を再現したもの。恐らく『ナインスゲート』を通る資格があるかを試す試験のようなものだったのでしょう。
しかし、コルソがなぜ謎の女に、つまりは悪魔に、気に入られたのかがよく分かりませんでした。
バルカンのように己の欲のために悪魔召喚をしようとしたのではなく、興味から、好奇心から『悪魔の書』の謎を調べていたから?
「金のために動く」コルソは、つまり、妙な正義感など持ち合わせていなさそうなコルソは、悪魔から見たら『純粋』だったのかもしれませんね。
ラストシーン
謎の女から『本物の第九の版画』がある場所を教えられたコルソ。
本物の版画を九枚揃え、ついに『ナインスゲート』を通る……、直前で映画は終わってしまいました。
ラストシーンで、コルソが向かっていた城が光っていたのは、コルソが『ナインスゲート』を通る資格を得たことを示しているのでしょう。
では、『ナインスゲート』を通ったら、コルソはどうなってしまうのか?
映画で描かれていない以上、想像するしかありません。
コルソも悪魔になってしまう。
人間のまま、悪魔の世界で生活する。
悪魔と対等にコミュニケーションを取れる人間になる。
映画『ナインスゲート』のように、結末を視聴者の想像に委ねる映画は、視聴後も楽しめるので好きです。
『ナインスゲート』を通った後のコルソ、一体どうなってしまうのでしょうね。
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