
今日は『ナイトクローラー』というサスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

事件や事故の現場に駆けつけて写真や映像を撮って、それをマスコミに高値で売る『パパラッチ』が主人公の映画だよ。映画は本当に面白かったけど、主人公は最悪だった

パパラッチの主人公も、その主人公から映像を買っているテレビ局も、「やってはいけない一線」を完全に越えていたよね

観終わった後に嫌悪感が残る映画だったけど、たぶん、映画の製作者はわざと嫌悪感が残るように作っているよね。「このままでいいのか?」って問いかけられているように感じたよ
映画『ナイトクローラー』基本情報とあらすじ
まずは、映画『ナイトクローラー』の予告編ムービーをご覧ください。
タイトル | ナイトクローラー (原題 Nightcrawler) |
ジャンル | サスペンス |
監督 | ダン・ギルロイ |
キャスト | ジェニファー・フォックス |
公開年 | 2014年(日本では2015年) |
備考 |
あらすじ
ルイス・ブルームは、金属製のフェンスなどを盗み、それを売ることで生計を立てていた。
ある夜、ブルームは交通事故の現場に遭遇する。
その事故現場には、ビデオカメラを持ち、事故車両や被害者の映像を撮影している男がいた。
ルイスは、その時初めて、『悲惨な事故現場の映像が高値で売れること』を知る。
ルイスは盗んだものを売った金でビデオカメラと無線傍受機を買い、撮影した事件現場の映像をテレビ局に売りに行った。
ルイスが期待していたほど高値では売れなかったが、「どのような映像が求められているのか」を教えられたルイスは、報道パパラッチとして頭角を現していく。
過激な映像を撮るパパラッチ。それを買うマスコミ。そして、過激な映像を求める視聴者。
より高い報酬を求めてルイスは越えてはいけない一線を越える。
映画『ナイトクローラー』感想

ネタバレを含みます
金のために
映画『ナイトクローラー』の主人公ルイス・ブルームは、認めたくはありませんが、頭の良い男でした。
こと、金のこととなれば驚異的な学習能力を発揮し、警察無線のコード番号などについて短期間で理解し、覚え、あっという間に一流の報道パパラッチになってしまいました。
機転が利き、何をすれば高い報酬を得ることが出来るのかを考え、成功の階段を一気に駆け上がっていきました。
ルイスの行動原理は、金を儲けること。
金のためなら、一家殺害の現場に踏み込んで映像を撮影することも、犯人を映した映像を元に犯人を探し出して警察との銃撃戦を起こさせることも、当然のようにやってしまう。
邪魔だと思えば、事故に見せかけて仕事仲間を殺すことだってする。
まるで心が無いようなルイス。
映画『ナイトクローラー』を観ていて、きっとルイスには悲惨な最期が待っていると思っていました。ところが、悲惨な最期どころか、ルイスは事業を拡大していたのでした。
何を信用すればよいのか
映画『ナイトクローラー』のラストシーンで、ルイスは3人の部下を雇っていました。
きっと、あの部下たちはいずれ、ルイスのやり方に疑問を抱き、リックのように反発することでしょう。
反発する者はルイスの元を離れていくことでしょうけれど、中には、ルイスのやり方を受け入れ、第2、第3のルイスが現れるかもしれません。
映画『ナイトクローラー』のラストシーンは、人を人とも思わないルイスのような拝金主義者が世の中に解き放たれていく様子を描いているように観えました。
悲惨な事件を捏造し、大金を得る。そんな輩たちが行っていること。これはもう、テロではないでしょうか?
ルイスが捏造してまで撮影した過激映像をテレビ局が高値で買う。
テレビ局は過激映像のおかげで高い視聴率を得る。
視聴率アップを追求するあまり、事件や事故を捏造してしまう報道パパラッチ。
映画『ナイトクローラー』は問題提議をするためにルイスという異常者とも言える主人公を創り出したのでしょう。
現実社会に「ルイス」がいないことを切に望みます。
何ができるのか
ではもし、現実社会で「ルイス」がいた場合、私達に何が出来るのか?
「ルイス」のような、事件や事故を捏造までするパパラッチ。その目的は「金」です。
金にならなければパパラッチもいなくなります。
つまり、私達が欲しなければよいのです。
事件や事故の過激な写真/映像、芸能人の私生活に土足で入り込んだゴシップ写真/映像。本当に必要ですか?
需要があるから供給が生まれるのです。
映画『ナイトクローラー』を観てルイスやテレビ局に嫌悪感を抱いたのなら、過激な写真や映像にNoを突きつけてはいかがでしょうか?
求める者がいなくなれば、供給する者もいなくなるはずですよ。
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