【映画】真夜中のゆりかご~あらすじと感想~真実はどこに?緊迫のサスペンス

映画『真夜中のゆりかご』あらすじと感想
あゆき
あゆき

今日は『真夜中のゆりかご』という緊迫のサスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

あるふぁ
あるふぁ

乳幼児の子育てを巡るサスペンスだよね。子育てをしている人なら共感できるところが多いんじゃないかな?

あゆき
あゆき

僕は主人公のアンドレアスさんに感情移入しながら観てたんだけど、真実が分かったときにはもう、ね……

あるふぁ
あるふぁ

笑える場面がほとんど無い、重めのサスペンスだから、精神的に弱っているときには観ないほうが良いかも。でも、一度は観て欲しいな

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映画『真夜中のゆりかご』基本情報とあらすじ

タイトル真夜中のゆりかご
(原題 EN CHANCE TIL)
ジャンル

サスペンス

監督スサンネ・ビア
キャスト

ニコライ・コスター=ワルドー
ウルリッヒ・トムセン
マリア・ボネヴィー
ニコライ・リー・コス
リッケ・メイ・アンデルセン

公開年2014年

あらすじ

刑事であるアンドレアスは、通報を受け、とある家に急行する。

そこには、薬物依存の男女と、育児放棄された乳幼児がいた。

乳幼児は自身の糞尿で体が汚れ、とてもまともに育てられているとは思えない。

アンドレアスは、その乳幼児を施設で引き取ることができないかと画策する。

一方、アンドレアスにも乳幼児の息子がいた。

アンドレアスと妻アナ、そして息子のアレクサンダー。三人家族は幸せそうに見えた。

ある事件が起こるまでは。

事件をきっかけに、アンドレアスとアナの生活は一変する。

さらに、事件の真実が明らかになるにつれ、アンドレアスの心が真実と嘘との間で揺れ動く。

映画『真夜中のゆりかご』感想

あゆき
あゆき

ネタバレを含みます

どちらが幸せだったのか

アンドレアスとアナの息子アレキサンダー。

トリスタンとサネの息子ソーフス。

一体、どちらが幸せだったのか?

アレキサンダーは、一見すると幸福な家庭で育てられていました。

でも実際は、父親のいないところで母親から虐待を受けていました。

ソーフスは、自身の糞尿にまみれ、トイレの床に寝かされるなど、見るからに劣悪な家庭で育てられていました。

ですがよく見ると、ソーフスの身体はよく太り、健康そうでした。おそらく、母親が必死に守っていたのでしょう。また、父親も、ソーフスを虐待して死なせたら自分が刑務所送りになることを十分わかっていたから、食事などは与えていたのではないでしょうか?

真実を知った時、アンドレアスは、亡くなった息子に「あの子は、僕に助けを求めていたんだ」と懺悔しました。

一方、ソーフスは、サネに育てられ、健やかそうに育っていました。

子育ては大変で難しい。また、子供は生まれてくる家を選ぶことができません。

結果だけを見ると、アレキサンダーは不幸ででソーフスは幸せそうでした。

でも、もしもトリスタンが警察に捕まらず、ソーフスは映画の始めの頃のように育てられていたら?

幼い子供が幸福になるか不幸になるかは、きっとほんの少しの違いだけなのでしょう。

アンドレアスがアナやアレキサンダーの異常に気付いていれば。

アナが子育てについて苦しんでいることをアンドレアスに相談していれば。

トリスタンがもっと子育てを真面目に考えていれば。

サネがソーフスを連れて施設などへ逃げていれば。

きっと、何か上手い解決法はあったはず。でも、その解決法を必ずしも選ぶとは限らないから、子供が不幸になるのでしょうね。

仕方がなかった?

アレキサンダーが亡くなった時、アナは異常なまでに取り乱しました。

その様子を見たアンドレアスは、やってはいけないことをやってしまいます。

アレキサンダーの死体をソーフスと入れ替えてしまいました。

後にアンドレアスは言いました。「あれが正しいと思ったんだ」と。

自殺すると言うアナ。糞尿にまみれたソーフス。

アレキサンダーの死体とソーフスとを入れ替えることは、正しいと思う人もいるかもしれません。

でもそれは決してやってはいけないこと。

アンドレアスも追い詰められていたのでしょう。

追い詰められていたから仕方がなかった、とは言えませんが、あの状況で子供を入れ替えてしまったアンドレアスの気持ちも分かります。

普段は善人であっても、置かれた状況によって善悪の判断を誤ってしまうこともあるのでしょう。

だからこそ、犯した罪ばかりを責めず、犯罪に至るまでの過程や心情も知ることが大切なのでしょう。

真実とは

アナは一見すると、悩みながらも子育てを頑張っている母親でした。

たまにヒステリックに叫ぶことはあっても、それは幼い子供を持つ母親なら、気持ちは理解できるのではないでしょうか?

そんなアナにとって、大切な息子アレキサンダーが亡くなってしまった。

私は当初、アレキサンダーを手放したくないと懇願するアナを見て、あまりのショックに一時的に錯乱しているだけなんだろうと思っていました。アナに対して同情する気持ちもありました。

ところが、真実が明るみになった時に、何だか「ガツン」と殴られたような気分になりました。

本当のことは何も見えていなかった。何も理解できていなかった。

「真実」が完全にわからなくなってしまったのです。

もしかしたらアナは、自分が息子を虐待していたことを知られるのが恐くて、子供を手放したくないと泣き叫んでいたのかもしれません。

アナは、自分が「子供を虐待して死なせた母親」として世の人々から見られるのを恐れたのかもしれません。

私の中で、アナという人物に対する印象が完全に変わってしまいました。

外面の良い人というのは実際にいるわけで。でも人が見ていないところで何をしているかなんて誰も知らない。

普段、見ていることだけが真実だと思っていると、アンドレアスのように根本からひっくり返されてしまうこともあるかもしれませんね。

求めていたこと

アンドレアスも、アナも、トリスタンも、サネも、きっと求めていたことは同じ。

きっと皆、幸せになりたかっただけ。

幸せの形はそれぞれ違うけれど、求めていたことは同じだったはず。

なぜ幸せになれなかったのか?

どうすれば幸せになれたのか?

そもそも、全員が幸せになることなんてできるのでしょうか?

全員がそれぞれの幸せを求めることで、不幸になる人が現れる。

だからといって、全員に同じ幸せを強いたりしたら、それこそ不幸です。

全員が幸せになれる方法なんてものは存在せず、妥協点を見つけながら生きていくしか無いのでしょうね。

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