
今日は『顔のないスパイ』というサスペンス映画のあらすじと感想を書いていくよ

姿を消していた暗殺部隊の首領が再び姿を現し、かつて首領を追っていたFBI捜査官が再び招集される、というところから物語が始まります

映画のかなり早い段階でその『首領』の正体が明かされて、その『首領』の視点からも物語が描かれるのがこの映画『顔のないスパイ』の特徴だよ

映画の原題は”The Double”。この意味を考えながら観るとさらに面白くなりますよ
映画『顔のないスパイ』基本情報とあらすじ
タイトル | 顔のないスパイ (原題 The Double) |
ジャンル | スパイ |
監督 | マイケル・ブラント |
キャスト | リチャード・ギア |
公開年 | 2011年(日本では2012年) |
備考 |
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あらすじ
アメリカの上院議員であるダーデン氏が暗殺された。
その暗殺の手口から、かつて世界で暗躍したソ連の暗殺者カシウスの犯行であるとCIAは疑い始める。
CIA長官は、かつてカシウスを追っていた捜査官ポールを現役復帰させる。
さらに、ポールの相棒として、カシウス研究で修士論文を書いていた若きFBI捜査官ギアリーが抜擢される。
やがて明らかになるカシウスの正体。
カシウスはなぜ暗殺を続けるのか?
追う者と追われる者。両者が交錯するスパイアクション映画。
映画『顔のないスパイ』感想

ネタバレを含みます
家族の存在
カシウスは元々、旧ソ連軍で暗殺者の育成に携わっていた人物。
旧ソ連軍の暗殺者として米国の要人を殺害していましたが、ある時点から、旧ソ連軍の関係者を暗殺するようになりました。
そのきっかけは、『家族を旧ソ連軍に殺害されたこと』。
掟に背いたカシウスは、その報復として家族を殺され、そしてその復讐のために旧ソ連軍の関係者を暗殺するようになったのでした。
映画『顔のないスパイ』の大きなテーマは『家族』。
家族を殺されたポール(カシウス)は、自分がカシウスであることに気付き始めていたベンを暗殺しようとしました。ですが暗殺できなかった。それは、ベンに家族がいたため。ポールはかつての自分をベンに重ね、ベンを暗殺するのではなく、説得して捜査から手を引かせることにしたのでした。
ですが、ベンは手を引かない。なぜなら、ベンはロシアから送り込まれたスパイだったから。
ベンにとって、妻や子供は、当初はカモフラージュのためのものでした。
ですが、最後は妻と子供が待つ家に帰っていきました。
ベンは、スパイとして生き続けることよりも、家族と共に生きることを選んだのでしょう。
スパイという生き方
ポールがベンにかつての自分を見たように、ベンもポールに将来の自分を見たのではないでしょうか?
家族を失い、復讐に生きるポール。そして、復讐を果たしたけれど、戦いの末に一発の銃弾で命を落としたポール。
そんな姿を見て、ベンはスパイという生き方に疑問を持ったのかもしれません。
だから、最後はスパイとしてロシアに帰るのではなく、家族の元へ帰ったのでしょう。
この先、ベンの人生はどうなっていくのでしょうか?
『カシウスを暗殺する』という任務を完了させたとは言え、スパイであるベンが穏やかに生きていけるとは到底思えません。
今後も、FBI捜査官とロシアスパイという二つの顔を使い分けながら生きていくのでしょう。
そして、FBIにその正体がバレたとき、ベンは家族から引き離され、刑務所行きは確実。
また、ポールのようにロシアから粛清対象とされた場合、ポール自身やポールの家族も死の危険にさらされます。
スパイという生き方を一度でも選んでしまった人間が、一生背負っていかなければならない重い運命。
ベンの人生は、決して明るいものとなることは無いでしょう。
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