
今日は『デイブレイカー』というホラー映画のあらすじと感想を書いていくよ

人間を吸血鬼にしてしまう感染症で、ほとんどの人間が吸血鬼になった世界が舞台です。人間の血を吸わないと生きていけない吸血鬼。だけど、人間の数が激減して、血液が枯渇してしまいます

主人公は代用血液の開発をしているんだけど、ある日、人間に出会ったことで気持ちに変化が生まれるんだ

この映画はホラー映画だけど、怖いシーンは少なめです。『ホラーは得意じゃないけど興味がある』ならぜひお勧めします
映画『デイブレイカー』基本情報とあらすじ
タイトル | デイブレイカー (原題 Daybreakers) |
ジャンル | ホラー |
監督 | マイケル・スピエリッグ ピーター・スピエリッグ |
キャスト | イーサン・ホーク |
公開年 | 2010年 |
備考 |
あらすじ
感染症により、人類のほとんどが吸血鬼と化した世界。
人間の血を飲まなければ生きていけない吸血鬼たちは、人間を捕獲し、ゆっくりと搾り取るように血液を採取していた。
だが、人間の数は激減し、吸血鬼たちは深刻な食糧不足に陥った。
食料不足を解消するため代用血液の開発が急がれていたが、未だ完成には至らず。
代用血液開発部の主任研究員であるエドワードは、もう一刻の猶予もないことは分かっていたが、成功への道が見えずにいた。
研究所からの帰り道。エドワードは不注意から交通事故を起こしてしまう。
この事故で、エドワードは、吸血鬼たちから逃げている人間と出会う。
このとき出会った人間から、エドワードは、代用血液を使わなくても問題を根本から解決できる方法があると告げられる。
映画『デイブレイカー』感想

ネタバレを含みます
現実でも起こり得ること
食料が枯渇し、貧しい人から順に飢え、やがて社会秩序が保たれなくなる。
映画『デイブレイカー』で描かれていた世界は、現実社会でも起こり得ることでした。
日本では人口が減少していますが、世界的に見ると人口は増加し続けています。今後もこの傾向は変わらないでしょう。
人口増加により、食料や水が枯渇することが予想されています。
人口が増えて、足りなくなった食料を奪い合う。飢えた人々は何をするか分かりません。
清い心を持ち続け、最期まで他人に迷惑をかけない方もいることでしょう。
その一方で、万引きや強盗に手を染め、さらには暴力に訴える人もいることでしょう。
食糧問題だけではありません。貧富の差が広がれば、『貧』の側の人々が、生きるために暴力を振るうこともあるでしょう。
映画『デイブレイカー』で描かれた世界は、そう遠くない未来に現実のものとなるかもしれません。
ビジネス的解決
映画『デイブレイカー』で示された食糧問題を根本から解決する方法。それは、人間に戻ること。
全ての吸血鬼が人間に戻れば、もうこれ以上、食料としての血液は必要なくなります。
ですが、その解決策では困る人達がいました。
それは、血液供給をビジネスとしている人々。血液を供給することで富を得てきた人々にとっては、血液が不要になる解決策は自らの失業と失墜を意味します。
血液供給という、吸血鬼社会が続く限り必要となるビジネスで成功した人々にとって、この成功を手放すことなどありえないことでしょう。
映画『デイブレイカー』では、結局、血液供給会社の社長は人間に戻されて、飢えて理性を失った吸血鬼たちの餌にされました。
そして、社長の血を吸った吸血鬼たちは人間に戻り、また他の吸血鬼たちの餌となり、その場にいた吸血鬼たちの死体の山が築かれたのでした。
現実社会でも、『成功』と『ビジネス的成功』は別のものである場合は珍しくないでしょう。
例えば、これはあくまでも噂ですが、『ある物』について、本当はもっと高性能な物を作れるのに、それを作ってしまうと買い替えなどの需要がほぼ無くなってしまうために現在の水準に抑えられている、なんて物があるとかないとか。
本当はもっと良い解決策があるのに、その解決策だとお金が儲からないから、もっと程度の低い解決策を供給する。そうすることで、本当は助かるのに苦しむ人がいるかもしれないけれど、自分たちの利益は守り抜く。
もしもあなたが映画『デイブレイカー』に出てきた血液供給会社の社長だったら、どうしますか? 将来手に入るはずの富も、名声も、全て捨てて、人類のために貢献することができますか?
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