
今日は『エージェント・ウルトラ』というアクション・コメディ映画のあらすじと感想を書いていくよ

薬物中毒の冴えない青年が実はCIAの凄腕エージェントだったんだよね? CIAで実際に行われたっていう噂のあるプロジェクトが元ネタになっているんだって

『ニキータ』も同じようにヤク中の子がエージェントに仕立て上げられるって話だったけど、『エージェント・ウルトラ』はアクションとコメディ色がもっと強いよね

うん。ドラマ性なら『ニキータ』、アクションなら『エージェント・ウルトラ』かな?
映画『エージェント・ウルトラ』基本情報とあらすじ
タイトル | エージェント・ウルトラ (原題 American Ultra) |
ジャンル | アクション |
監督 | ニマ・ヌリザデ |
キャスト | ジェシー・アイゼンバーグ |
公開年 | 2015年(日本では2016年) |
年齢制限 | R15+ |
備考 |
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あらすじ
マイクはアメリカの田舎町で生活する冴えない青年。薬物中毒で逮捕された過去を持ち、今もこっそりと薬を使いながら生活している。
マイクは恋人のフィービーと一緒に生活している。フィービーとの結婚も真剣に考えているマイクは、婚約指輪も準備して、いつプロポーズしようか考えていた。
マイクはフィービーと二人でハワイ旅行に行くはずだった。だが、マイクは空港でパニック障害の発作を起こしてしまい、旅行は断念することに。
ある日、マイクはアルバイト先のコンビニで、謎の女性と出会う。
その女性は、マイクに向かって意味不明の言葉を何度も繰り返した。
同じ夜、マイクは自分の車が車上荒らしに遭おうとしているのを目撃。車には薬物が積んであるので、バレたらマズイ。マイクは勇気を振り絞って車上荒らしの暴漢二人に立ち向かう。
暴漢は銃を持っていたのだが、マイクは何故か体が動き、スプーン一本を武器に暴漢二人を殺害してしまうのだった。
自分がやってしまったこと、そして自分がやれてしまったことに戸惑うマイク。
状況が全く理解できないマイクは警察に捕まってしまうのだが、マイクが取り調べを受けている警察署に、新たな二人組が武装して忍び寄る。
映画『エージェント・ウルトラ』感想

ネタバレを含みます
記憶を消すこと
映画『エージェント・ウルトラ』の主人公マイクは、実は凄腕のCIAエージェントでした。
薬物中毒で捕まったマイクは、CIAから何らかの特殊訓練を受けましたが、催眠術で過去の記憶を消され、冴えない青年として生活していました。
催眠術などで特定の記憶を消してしまうことなど可能なのでしょうか?
調べてみると、どうやら不可能なようです。
ただし、催眠術以外の方法で記憶を消すことは不可能ではないようです(実用化されてはいないようですが)。
方法はどうであれ、もしも『エージェント・ウルトラ』のマイクのように記憶を消され、消されたことも忘れて生活しているとしたら?
記憶を消されたことすらも覚えていないのですから、生活に何の支障もなさそうですよね。
でも、消された記憶に関連する人物と出会ってしまった場合には?
例えば、あなたが何か辛い目にあって記憶を消したとします。その『辛い目』に遭わせた人物に再会してしまったら?
記憶を消したあなたにとって、その『辛い目』に遭わせた人物は初対面です。もしかしたら、あなたはまた同じように辛い目に遭わされてしまうかもしれません。そして再び記憶を消すかもしれません。
そしてまた、『辛い目』に遭わせた人物と再会して……。
そんな繰り返しをずっと続けてしまうかもしれません。
記憶を消すのもリスクがある。そのことを認識せず、安易に消してしまうのも考えものですね。
相手の中に自分自身を見た、のかも?
映画『エージェント・ウルトラ』は、1950~60年台に実際に行われていたと言われている「MKウルトラ計画」が元ネタになっているそうです。
MKウルトラ計画は、CIAで行われていたとされる極秘プロジェクト。薬物を使うなどして洗脳したり、自白させたりする研究が行われていたとされています(>>Wikipedia『MKウルトラ計画』のページ)。
映画『エージェント・ウルトラ』のように強力な戦闘員を作っていたのかは不明です。
ですが、映画では成功したのがマイクだけだったように、MKウルトラ計画でも被験者は重篤な障害を抱えることになってしまったようです。
映画『エージェント・ウルトラ』でマイクがホームセンターで最後に対峙した男。歯がボロボロだった男。
あの男も被害者だったのでしょう。
マイクに向けて「誰に命令された」と聞き、「誰にも命令されていない」と答えたマイクに、男は「うらやましい」と言いました。
CIAにより心身ともにボロボロにされた男は、CIAの捨て駒として生きるしか無かったのでしょう。
マイクもこの男と同じ運命だった可能性もある訳で。だからこそ、マイクはこの男を殺せなかったのでしょう。
武器の宝庫
ホームセンターにある物で次々と敵を倒していったマイク。
その気になれば、大概のものは武器になる、といったところでしょうか?
映画『エージェント・ウルトラ』のラストでは、どうやら正式にCIAエージェントとなったらしいマイクが敵に捕まってしまいました。
でも、マイクは余裕です。
マイクが捕まっている場所が『キッチン』だったから。
キッチンは、ホームセンターには劣りますが、武器の宝庫です。
缶、フライパン、ちりとり。包丁や熱湯もあることでしょう。
たとえ丸腰にされても、その場にあるものを武器にして敵を倒すマイク。
絶望的な状況でも、希望を捨てずに周りを観察して、アイディアを絞り出せば、苦境を突破する方法は見つかるものなのかもしれませんね。
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